日韓交流は相互理解に役立ってきたか?2017/12/13

朝日新聞1984年9月7日付

 これは朝日新聞1984年9月7日付の夕刊に載った「今日の問題」のコラムです。 33年も前のもので、日韓の「人の交流」「自由かつひんぱんな往来」の重要性を説いています。主要部分を抜書きしますと、

日本人の海外旅行客は昨年‥うち韓国を訪れた人は53万人弱。‥‥‥ 一方、韓国人の海外旅行者は‥その約4割の19万6千人が日本に来ている。

韓国のある大学教授が昨年11月(調査によると)、訪日後、対日印象が好転した、と答えた人が6割を超えたという。

日韓が本当に成熟したパートナーを目指すなら、国民レベルでの自由かつひんぱんな往来が一層重要になってくることは間違いない。この分野で両国がなすべきことはまだまだあるはずだ。

 33年前は訪韓日本人数53万人、訪日韓国人数19万6千人という数字です。 ちなみに今年の訪韓日本人数は200余万人、訪日韓国人数は600万人を超えると見込まれていますから、この30年余りの間に日韓の人的交流は大いに進んだと言えます。

 33年前の朝日の記事にあったような「国民レベルでの自由かつひんぱんな往来」は今や実現した段階に至ったと言っていいでしょう。 ここで考えねばならないのは、それにもかかわらず日韓の認識差、特に歴史認識差による対立・摩擦が鎮まらないことです。 一般的に外国との人的交流が活発化すれば、互いに相手の印象が好転して対立・摩擦が減少すると考えられてきましたが、日韓関係ではこの数十年の歩みの中でその図式が当てはまらなかった、と言えます。

 これからも対立・摩擦が続くのかどうか分かりません。 ただ一つ言えるのは、交流が活発になりさえすれば仲良くなれる、という単純な図式は必ずしも成立しないということです。

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