私の国籍研究史(5)2017/08/15

 先に書きましたように1990年代から2000年代にかけて、日本も二重国籍を認めろという運動が盛んになりました。 オーストリア在住の「チッペルレゆり」とかいう日本人女性が盛んに音頭を取っていましたねえ。 私の所にもメールが来たくらいです。 二重国籍者は合法的に重婚ができると指摘したら、ビックリ・動揺していたことを覚えています。 彼女だけでなく、日本国内でも二重国籍を求める主張が盛んな時期でした。

 そしてこの時期は、外国人が輝いて見えた時代でした。 

外国籍が輝いて見えた時代があった http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/19/8623371

 蓮舫はこの時代の風潮に乗じて、一連の国籍発言をします。

蓮舫の過去の「国籍発言」  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/09/16/8190975

 この時期の蓮舫の発言の中には、「中国国籍」「帰化して」という、国籍法を知っていれば間違うはずのない虚偽が含まれています。 これは彼女が国籍法に無知であったことを示しています。 だから「二重国籍」「自分の国籍は台湾」「国籍は日本人だが」のような矛盾した発言が出てきたものと考えられます。

 本人が無知であったし、家族を含めて周囲の誰も台湾に籍が残っていたことは分からなかったのですから、日本単一国籍になったと思い込んでいて二重国籍だとは知らなかった、という彼女の主張はその通りだろうと判断しました。 国籍法第14条に違反していたとしても、意図したものではないと私は考えています。

 これまでの経過を簡単にいうと、蓮舫は自分が日本単一国籍者だと思い込んで二重国籍者としての行動をしてこなかった。 それが二重国籍ではないかと指摘されて、調べてみたら台湾に籍が残っていたことが判明した。 そこで台湾籍の離脱の手続きをし、日本政府には日本国籍選択を届け出た。 こういう経過ですので、今では法的には全てが解決したことになります。 従ってこれ以上問題にすべきものではありません。

 蓮舫は台湾に親戚がいるからでしょうか、台湾は独立した国であるという意識があるようです。 私は、日本は台湾を国家として承認していないので蓮舫の台湾籍は国籍ではない、だから蓮舫は日本の国籍法にいう二重国籍ではないので国籍法第14条違反には当たらないと考えているのですが、彼女はそのような主張を最後までしませんでしたねえ。 

 蓮舫には日本政府に対し、台湾籍は国籍なのかどうか、問い正してほしいものです。 自分は法務省の行政指導により日本国籍選択を宣言したが、その行政指導の法的根拠は何か、これくらいは聞けるのではないかと思うのですが‥‥。 私の予想では、法務省は法的根拠がないから行政指導したという訳の分からないことを言うと思います。 

 蓮舫は民進党党首を辞任したので、彼女のことは沈静化するでしょう。 しかし政治家と二重国籍の問題がこれで収まるかどうか。

① 収まってしまって、もはや関心が持たれなくなるかも知れません。 二重国籍者が立候補しても話題にならない、となるでしょう。

② あるいは収まらなくなって、政治家を片っ端から二重国籍の疑惑があると次々と槍玉にあげるかも知れません。 お前は二重国籍の疑いがある、ウソだというなら戸籍を公開しろ、となるでしょう。 

 果たして、どうなりますやら‥‥。

蓮舫二重国籍問題のまとめ (再掲) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/15/8620565

私の国籍研究史(1)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/07/30/8630904

私の国籍研究史(2)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/03/8638755

私の国籍研究史(3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/07/8641528

私の国籍研究史(4) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/08/11/8644295

コメント

_ neran ― 2017/08/16 13:21

蓮舫が代表を辞任すると、コメントも止みましたね。

戸籍公開まで進んでしまったのは明らかに蓮舫の愚で、二転三転した説明の挙句、党内の犠牲の羊を求める声に抗えなくなり、強い対応をパフォーマンスしてみせたということだと思っています。しかもそれが泥縄の泥縄に見えたため、ただ戸籍の部分公開という悪例を残しただけに。

今回の重国籍はたまたま攻撃の道具だっただけで、本質的に重国籍への対応を整備しようといった動きはないため、攻撃したい相手に重国籍の疑いがあれば、今後も使われるんじゃないでしょうか。辻本さんの1も2も極端で、実際には、しばらく話題にはされないが、いつでも使い得るネタとして認知されたのだと思います。

辻本さんの仰るように、法務省に何らかの確認をし、さっさとその公開をして完了とすべきだったのに、無意味に戸籍公開までもつれ込ませた蓮舫は、何にせよ政治を任せたい人物とは思えませんが。

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