同和企業の思い出 ―熱海土石流災害を見て2021/07/11

 今月3日に起きた熱海の土石流災害。多数の方が犠牲になっており、ご冥福をお祈りします。

 ところでこの土石流の原因が、裏山の伊豆山に施行されていた盛り土が崩壊したことによるものとされています。 その経過は、7月10日付け毎日新聞によると次の通りで、関連部分を引用します。(有料記事ですので、詳しくは図書館にでも行ってご確認ください) https://mainichi.jp/articles/20210710/ddm/003/040/066000c

盛り土があった場所は海岸から約2キロの逢初(あいぞめ)川最上流部だ。神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)が2006年にこの地点を含む上流一帯の土地を取得し、盛り土を造成した。同社が静岡県土採取等規制条例に基づき、07年3月に熱海市に出した届け出によると、0・94ヘクタールの土地に3・6万立方メートルの盛り土をする計画だった。

ところが、土石流発生後に静岡県が10年1月の国交省のデータなどを基に推計すると、盛り土の総量は届け出の1・5倍の5・4万立方メートルに上っていた。崩落災害を防ぐ観点から、県の技術基準は盛り土の高さを原則15メートル以内と制限しているにもかかわらず、問題の盛り土の高さは最大50メートルに達していた可能性がある。

流れた土砂の総量は5万5500立方メートル。大半は盛り土とみられ、起点以外では土砂の流出は限定的だったとされる。起点が盛り土の部分なのか、山の地肌部分かは明確ではないものの、県は盛り土が被害を大きくした要因とみている。

盛り土を造成した不動産管理会社を巡っては、法令違反の発覚と行政指導が繰り返された。07年4月、盛り土の造成面積が条例で規制する1ヘクタールを超えることが判明し、県は翌月に文書で指導した。この違反は是正されたが、10年8月には産業廃棄物の混入が確認されたため、県が撤去を求めた上、熱海市は翌月に工事の中止を指導した。しかし同社は行政の指導に従わず、是正されないまま土地は11年2月、東京の企業グループ前会長に売却された。

住民の間には「11年以降も土砂を積んだトラックが上流へ向かうのを見た」との証言が複数ある。盛り土については「量と期間からみて、前の所有者(小田原市の不動産管理会社)だけが搬入したのではない」との見方もあり、県は経緯を詳しく調べる考えだ。

 土石流の原因となった盛り土の造成工事をしたのは、法令違反と行政指導不服従を繰り返した「小田原市の不動産管理会社」です。 この会社の社長が天野さんという方で、自由同和会神奈川県本部の会長です。 自由同和会なんて知らない人が多いでしょうが、部落解放同盟などとともに、いわゆる同和団体の一つです。 つまり無茶な盛り土工事をしたのは、同和企業ということですね。

 私はこれを知って、40数年前に同和企業でアルバイトしていたこと思い出しました。 そこはH県I市のHという同和地区にあったN組という土建会社でした。 私は土建の知識なんて全くなかったのですが、驚きの連続でした。 一例を挙げますと、

会社は農業用水路改修工事を請け負った際に、近くの空き地を残土の仮置き場として借用した。 そうしたら会社はどうしたか。 空き地内に運び込まれた残土を周りに高く盛り上げて、周囲から見えないようにした。 そうすると残土の山の内側は平らな地面として残る。 次にこの平坦地を深く掘り下げて、その土を売り飛ばす。 台地の地山の土だったから埋め立てに使うのにちょうどいいので、そこそこに売れたそうだ。 そして借地の真ん中に空いた穴に、今度は産業廃棄物を含んだ泥土を埋めていった。 産業廃棄物はいつの時代でも同じだが、廃棄には苦労するもので、多額の費用が掛かる。 会社はこれを引き受けて、実際はこの穴に放り込んだのであった。 最後は穴をきれいに埋めて整地し、所有者に返還して終わった。

 当時の私は土建の知識がありませんでしたから、会社の人から、土建屋はどこでもこれと同じことをしている、お金を出して他人の土地を借りてもお金を儲ける、これが知恵というものだと言われて、土建業界ってすごいところなんだと思ったものでした。

 そして行政から何か言われたら、こっちは同和だと言い返せばいいと教わりました。 ただ当時は、同和は社会から差別された存在と学校で習っていましたから、それが特段悪いこととは思っていませんでした。

 しかし結局はこの会社の評判の悪さを知るようになって辞めたのです。 同和だから悪いのではなく、会社のやり方が悪いからと思っていました。

 しかしその後、他地域でも悪い評判の立つ土建屋には必ずと言っていいほどに同和企業が含まれていることを知りました。 こういう経験をして、私はようやく同和企業に共通する体質というものがあるのではないかと思うようになりました。

 「共通する体質」とは、前述したように法令違反と行政指導無視を平然と行なうこと、同和であることを公然と示すこと、特に立場が悪くなりそうな時には効果が大きい、そしてその場さえ切り抜けたら、後はどうなっても知らぬ顔をする‥‥といったところです。 

 ここが、熱海土石流の原因をつくった同和企業と、私がアルバイトで働いたことのある同和企業の共通点だと感じましたね。

【拙稿参照】

差別問題の解決とは?      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/07/09/9266205

同和出自を明かすことは‥‥   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/07/13/9267584

社会的低位者の差別発言     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/05/09/9244588