「十五円五十銭」の練習―こんな在日がいるとは!?2021/02/15

 『朝鮮日報』の日本語版2月13日に掲載された「『十五円五十銭』を練習する在日韓国人」と題する記事がありました。 そこに、へー!こんな在日がいるのか?とビックリする人が登場します。

東京で知り合ったAさんは在日韓国人2世だ。日本で生まれ、事業を興して60年余り暮らしてきた。疑う余地もないほど日本語は完ぺきだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、韓日間の「銃声のない戦争」が続くと、次のように語っていたことが今でも頭に残っている。「両国関係が最悪の状況に向かうと、『十五円五十銭(じゅうごえんごじっせん)』と発音してみる習慣がついた。私の発音が本当の日本人と同じか確かめてみるのだ」

日本のお金で15円50銭という金額を意味する「じゅうごえんごじっせん」。この言葉の背景には、日本帝国時代の韓国人の生死がかかった悲しい歴史がある。1923年に関東大地震が発生して10万人以上が死亡した。阿鼻(あび)叫喚の混乱の中で、「朝鮮人が人を殺して井戸に毒を入れた」というデマが広がった。日本軍・自警団が狂気を帯びた目で駆け回った。韓国人らしき人に「十五円五十銭と言ってみろ」と怒鳴りつけた。つたない日本語で言うと、その場で「即決処分」した。6000人以上の韓国人に対する人種虐殺が歴史に記録されている。

「まさかそんなことが再び起きるだろうか」と問い返すと、彼は真顔で言った。「一寸先も見えない状況が続けば、10年後に私のような在日たちの生活はどうなるかわからない」

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/10/2021021080165.html

 読んだ当初は「日本で生まれ、事業を興して60年余り暮らしてきた」とあるので、起業して60年余りだから今は80歳代後半か90歳代くらいの方かなと思いました。 しかし2月4日付けの原文を確かめてみると「사업을 하며 60여 년을 살았다」とあります。 直訳をしますと「事業をしながら、60余年を生きた」となりますから、今の年齢が60余歳ということです。 日本語訳が誤解されやすいものになっていますね。

https://www.chosun.com/opinion/column/2021/02/04/4BT7PD65HNDXTCNSFAM6EU35HQ/

 このAさんは1950年代生まれと判明します。 この年代の在日韓国人2世なら、家庭内や親戚、友人らとのコミュニケーションはすべて日本語でしょう。  しかも日本国内で長年事業をして来られたといいますから、取引先との協議や契約などは全て日本語になるはずです。 従ってこんな在日2世が「疑う余地もないほど日本語は完ぺき」であることは当然であり、「十五円五十銭」も何ら意識せずに完璧な日本語での発音になるのが普通です。 

 そんな2世のAさんが韓国人と間違われないようにと「十五円五十銭」を練習しているということにビックリしたのです。 とすれば、彼は「十五円五十銭」を韓国語訛りで発言することがあり、それがうっかり出てくるのではないかと恐れて日本語での発音を練習しているということになります。

 在日韓国人でこんなことがあり得るとしたら、常に本国韓国人と接していて、普段は頭の中でも韓国語で考えている場合でしょう。 こうなると、「十五円五十銭」と言う時にうっかりと韓国語訛りが出てくる可能性はあります。 しかし日本で1950年代に生まれ育った在日韓国人2世では、天然記念物的に珍しいことです。 記事では

記者は、自身の日本語の発音をチェックするAさんの不安は杞憂(きゆう)だと思っている。

とありますが、私もその通りだと思います。 では何故そんな「杞憂」をやっているのか? そこが気になるところです。

 私の勝手な想像ですが、Aさんは関東大震災の朝鮮人虐殺に関する簡単な歴史概説書を読んで、自分もそんな目に遭うかも知れないと被害者意識に凝り固まったのではないかと思いました。

 しかし「在特会」というトンデモ団体が公道で在日を「死ね!」「殺せ!」「ゴキブリ!」と叫んでいました。 また一昨日の宮城福島の地震でも「朝鮮人が井戸に毒を入れた」とツイッターした馬鹿がいたそうです。 在日が被害者意識を持つのも仕方ないのかも知れません。 「杞憂」だと切って捨てるわけにもいかないところがあります。 https://mainichi.jp/articles/20210214/k00/00m/040/249000c

 ところで話は替わりますが、この『朝鮮日報』の記事中で異議のあるところがあります。

1923年に関東大地震が発生して‥‥6000人以上の韓国人に対する人種虐殺が歴史に記録されている。

 この中の「6000人以上の韓国人に対する人種虐殺」は、その人数について拙稿で論じたことがありますので、ご参照ください。 要するに「6000人」は検証された数字ではなく、プロパガンダの誇張された数字ということです。

【拙稿参照】

水野・文『在日朝鮮人』(19)―関東大震災・吉野作造 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/09/04/8169265

水野・文『在日朝鮮人』(13)―関東大震災への疑問 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/07/19/8134282

関東大震災時の「在日朝鮮人虐殺者」の数 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/06/09/398058

関東大震災の朝鮮人虐殺  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/08/26/8163009

関東大震災の日本人虐殺  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/09/15/8189607

関東大震災「朝鮮人虐殺事件」 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/09/01/8663629

同胞100万人を代表する在日本大韓民国民団(民団)中央本部団長が新年会で

 民団団長が「同胞100万人を代表」とはビックリ。 オールドカマーである特別永住などの在日では、民団に入っていない家庭が結構多くなりました。 昔は、韓国から戸籍を取り寄せたり、婚姻届や出生届を韓国政府に出したり、韓国のパスポートを取得するのに民団を通さねばならなかったのですが、今は領事館に直接行けば済みます。

 またかつての民団は在日一・二世にとって同胞の集まりとして交際や商売等々で重要な役割を果たしていたのですが、このごろの若い世代の在日には同胞を探し求める気持ちが薄れているようで、民団はそれほど大きな存在でなくなっています。 

 そして2・30年ほど前から韓国から移住してきたニューカマーの場合、民団に加入している人はほとんどいないでしょう。

 「100万人」は何を数えた数字か分かりません。 そして民団が「同胞100万人を代表する」とはどうなんでしょうかねえ。 在日の「同胞百万人」が代表を選んだなんて、聞いたことがありません。 だからビックリしたのです。 しかし在日韓国・朝鮮人を代表できる組織は今のところ民団と総連しかありませんから、「代表する」というのも一応間違いではないのですが‥‥。

今回は『朝鮮日報』の記事を読んで、ちょっと感想を書いてみました。

コメント

_ 竹並 ― 2021/02/20 06:28

貴兄の書き込みを読んでの、即興の感想というか、疑問・疑念なんですが…

例えば、ご引用の『…「朝鮮人が人を殺して井戸に毒を入れた」というデマが広がった。 日本軍・自警団が狂気を帯びた目で駆け回った。 韓国人らしき人に「十五円五十銭と言ってみろ」と怒鳴りつけた。 つたない日本語で言うと、その場で「即決処分」した。 6000人以上の韓国人に対する人種虐殺が歴史に記録されている。』ですが… 「在日」の社会では意味が通るのか知れませんが、普通の日本人には意味不明ですね。

当時の「朝鮮人」の中に「韓国人らしき人」がいた、という意味なんでしょうか?
そして、「韓国人に対する人種虐殺が歴史に記録されている」となると完全なウソ、歴史捏造ですね。
当時、すでに「大韓帝国」はなく、「大韓民国」は未だ存在していない時期ですから、そもそも「韓国人」なんぞ存在しない。

気になるのは「人種虐殺」という言葉で、これは現在進行形のプロパガンダではないかと思います。
連中、震災時(騒擾下の)事件のホロコースト化、「在日」の聖なるユダヤ人化を試みているのかと、その兆候を(個人的には)感じますね。

いかが、お考えでしょうか?

_ 辻本 ― 2021/02/20 14:45

 朝鮮日報の日本語版をそのままコピーしたものです。
 この記事の場合、原文をほとんど直訳していますね。
 韓国の新聞記事はそのまま直訳してもある程度の意味が通じますが、個々の単語の意味は直訳すると日本語とずれる場合が多々あります。
 そうすると、原文の意味を誤解することも出てきます。

>「在日」の社会では意味が通るのか知れませんが、普通の日本人には意味不明

 本国の新聞記事であり、在日に読まれることを前提とする記事ではありません。
 意味が通るか通らないかは、在日も日本人も同じです。

>当時の「朝鮮人」の中に「韓国人らしき人」がいた、という意味なんでしょうか?

 韓国では、今は「朝鮮人」「韓国人」を区別せずに使うようになりましたね。 
 この新聞記事も、区別せずに使っています。

>気になるのは「人種虐殺」という言葉で、これは現在進行形のプロパガンダではないかと思います。

 「人種虐殺」は原文でもそうなっています。
 他ではあまり見かけない言葉で、どういうつもりでこう表現したかは分かりませんねえ。

_ 竹並 ― 2021/02/20 21:47

>【辻本さま:  韓国では、今は「朝鮮人」「韓国人」を区別せずに使うようになりましたね。 この新聞記事も、区別せずに使っています。】

昔、「宮崎正弘の国際ニュース早読み」というメルマガがあって、その「読者の声」欄に「倭寇も後期になると日本人ではなく、中国人や韓国人が主体でした」という投稿を目にして、その「韓国人」の用法に度肝を抜かれた記憶があります。

そのメルマガの読者・投稿者は、企業の海外駐在員とか商社マンが多いらしかったのですが、「倭寇に韓国人を登場させるとは、投稿者は韓国系の人かな?」と、小生、想像を逞しくいたしました。

この推定を、辻本さんは、どう思われますか?、というか、貴兄ご自身、(「倭寇」に限らず…)この種の、壮大な時代錯誤 or 時代を超越した「韓国人」の用例を目にされ、耳になさった経験は、お有りでしょうか?

_ 辻本 ― 2021/02/21 03:29

 韓国では半万年の歴史を誇っています。
 そこに住む人々を個別では、李朝時代では「朝鮮人」、高麗時代では「高麗人」、三国時代では「新羅人」「百済人」「高句麗人」とかいいますが、総称すると韓国では普通「韓国人」と称します。

 「韓国人」は狭く厳密に1948年に建国された大韓民国の人々を指す場合もありますが、韓国史概説書では檀君神話以降に半島を中心に居住している人々は歴史を超越して「韓国人」ですね。

 なおこれは韓国での使い方です。 日本では「朝鮮人」となりますが、これを差別語だと忌み嫌う人もいますので、その場その場で適当に使い分けるしかありません。

 ですから歴史を超越して「韓国人」と言う場合も出てくるでしょう。

_ 竹並 ― 2021/02/21 11:11

>【辻本さま: 「韓国人」は狭く厳密に1948年に建国された大韓民国の人々を指す場合もありますが、韓国史概説書では檀君神話以降に半島を中心に居住している人々は歴史を超越して「韓国人」ですね。】

ありがとう御座いました。

シナ朝鮮(大陸・半島)には禅譲・放伐とか、異民族の征服とか「王朝交代」があるので、現実の歴史は王朝を「ぶつ切り」状態で並べた料理みたいなもの… 万世一系の国民(くにたみ)から見れば、「韓国半万年」「中国五千年」なんぞ…(頭に「ぶつ切り」付けろ)と、つい、言いたくなりますが、「まあ、先方には先方の事情があるんだろうし…」と放置するしかありませんね。

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