韓国ドラマにおける洗濯場面 ― 2007/11/23
ある韓国ドラマに、足踏みで洗濯する場面がありました。
古来朝鮮では、洗濯槌(パルレ パンマンイ)による叩き洗いで、足踏み洗いは植民地時代や戦後の韓国の民俗事象として全く報告されていないものです。 あまりに珍しいので、参考になるだろうと更に見ていくうちに、韓ドラに嵌ってしまいました。
それはともかく、ここ3ヶ月ほどの間に見た韓ドラのなかで、いくつかの洗濯場面が出てきました。
・一番多かったのは、手揉み洗いです。これには水道の蛇口の下でする場合と水を汲んだ盥でする場合の二通りがありました。
・手揉み洗いでも洗濯板を使う場合が多かったです。
・朝鮮古来の洗濯槌による叩き洗いは、都会のビルの屋上で行なっている場面がありました。しかし昔ながらの川での叩き洗いは見当たりませんでした。
・足踏み洗いは上述したものがありました。
ところで日本の洗濯の歴史を概説すると
‣中世戦国時代までは足踏み洗い、
‣江戸時代は盥で手揉み洗い、
‣幕末の居留地から西洋式の洗濯板が知られるようになり、
‣明治後半に洗濯石鹸が工業化されて安価に入手できるようになるとともに洗濯板による手揉み洗いが普及し、
‣戦後になると洗濯機が出現して、機械による洗濯が定着します。
韓ドラの洗濯風景は、日本の洗濯史を見るようで興味深いものです。
こういったことを考えながら見ていくうちに、韓ドラに嵌ってしまったという次第。
このような観点で韓ドラを見るのは、世界広しと言えども私ぐらいしかいないでしょうねえ。