新型コロナ検査の信頼性(5)2020/03/28

 新型コロナの検査法として唯一承認されているPCR法の信頼性について、韓国と日本では違いがあることを知り、韓国の報道ではどう扱っているのかに注視してきました。

 今度はハンギョレ新聞の3月27日付けに次のような記事が出ました。日本語版にあります。  http://japan.hani.co.kr/arti/politics/36143.html    この記事ではPCR法は「分子診断法」「リアルタイム遺伝子増幅法」「RT-PCR」などと呼ばれており、

保健当局は分子診断法のリアルタイム遺伝子増幅法(RT-PCR)キットのみ承認し

とありますので、韓国で唯一の承認された検査法であることが分かります。 これは日本でも同じです。 この検査法の信頼性について、記事では未承認の抗原抗体検査法と比べて、次のように書かれています。

診断検査医学界は、このキットを使った検査の精度が50~70%程で、95%以上のリアルタイム遺伝子増幅検査よりも不正確だと見ている。

 つまり韓国ではPCR法は精度が95%以上と高く、正確性があるとしているのです。 日本では感度がせいぜい70%程度で、信頼性が落ちるとされているのと大きな違いを見せています。

 なぜこの違いが出てくるのか? PCR法でも検査方法に違いがあるのか? そこが分からないところです。 もし韓国のPCR法の信頼性が高いのが事実であるなら、日本は韓国からそれを導入すべきだろうと思うのですが、そんな動きを見せるような報道は見当たりません。 一部の自治体で韓国から導入するとしているのは、ドライブスルー方式の検体採取法ぐらいですねえ。

 私は医学には専門外ですが、こんな細かいところに注目して記事を読んでいくと、あまり役に立たないことでしょうが、興味が湧きますね。 

 ところで、これに関する韓国の記事に出てくる言葉として、医学用語の「感度」「特異度」が使われずに、「精度」「正確度」等々が出てきます。 私の印象ですが、韓国のマスコミは定義のはっきりしていない用語を使って、自国検査の信頼性が高いと論じているように思われます。

新型コロナ検査の信頼性 ―韓国と日本では違うのか? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/03/10/9222614

新型コロナ検査の信頼性(2)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/03/16/9224844

新型コロナ検査の信頼性(3)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/03/23/9227298

新型コロナ検査の信頼性(4) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2020/03/24/9227621