韓国Me too運動の記事2020/04/05

 ちょっと以前ですが、『朝鮮日報』の2020年2月12日付に、韓国で超有名詩人である高銀氏のセクハラを告発したチェ・ヨンミ(崔泳美)氏の記事がありました。 いずれ日本語版に出てくると思って待っていたのですが、新型コロナで忙しいのでしょうか、出てきませんねえ。 訳してみました。

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2020/02/12/2020021200087.html

私の詩に出てくる「貪欲な豚」は、盧政府の人士 「これが進歩なら、便所紙にも使えない」左派陣営の嘘とペテンを告発

「このごろの若い作家たちが声を上げているのを見ると、世の中も少しは変化しているなあと思いますよ。ひょっとしたら彼らが躊躇せずに発言できるように、私がちょっとは(文壇に)亀裂を入れたからなんだなあと思うと‥‥私の人生は無駄ではないんです。」

チェ・ヨンミ(58)詩人は、最近不公正な契約に抗議して李箱文学賞を拒否した作家たちに喜びを表した。彼女は最近の新作詩三篇を入れて、詩集「豚たちに」の改訂普及版を出版した。新作詩は、詩人高銀のセクハラ疑惑を暴露してから以降に書いた詩である。11日に会ったチェ・ヨンミは「裁判結果に影響を与えるかと思って、昨年に出した詩集には入れなかった詩」だと言った。詩人の高は、チェ・ヨンミ詩人を相手に提起した損害賠償訴訟で二審まで敗れ、昨年12月に上告をあきらめた。

彼女は「なぜ選りによって(まだ若造の)チェ・ヨンミが告発者になったのか」という文壇の不満を聞いて、「資格」という詩を書いた。「コソ泥も殺人者を告発することが出来るし/殺人者も殺人者を告発することができる。」チェ・ヨンミは「私より優れた文化人たちが乗り出さないので、私が押されるように乗り出したこと」と言って、「完璧で清潔な人でなければ告発できないのか」と反駁した。

彼女は長い間、「豚は誰だ?」という質問に苦しめられたという。詩集「豚たちに」は、強者の横暴と貪欲を豚に比喩した連作が載った。「それでも貪欲な豚たちはあきらめない/席から立ち上がる力もないのに/豚たちは私に真珠をくれと/最後にどうか一回だけでもくれと‥‥」

あるマスコミから、詩集の中で豚に比喩された偽善的知識人が故シン・ヨンボクだと主張し、2016年に言論仲裁委員会が訂正報道するように決定を下したこともあった。彼女は「豚」のモデルは「盧武鉉政府の一角にいた文化芸術界の人士だった」と明らかにした。「あの時電話がかかってきたので、ひょっとして私に仕事でもくれるのかと思って、嬉しい気持ちで出ました。しかし私に真珠を期待するような、女性として非常に不快な話を聞かされました。」

家に帰ってきて聖書を読み、「豚に真珠を与えるな」という一節を見て、詩想が浮かんだ。彼女は「私が豚に真珠を与えたのだなあ、と思った」 「書きながら、私の代表作になるものが分かったと、私が尊敬するボードレールやキム・スヨン詩人に見せても恥ずかしくないと思った」と言った。

この詩集で一生に一度の文学賞をもらった。イス文学賞の審査委員だったシン・ギョンニム詩人は、「わが社会を覆っているウソとペテンに対して容赦ない攻撃」だと評した。収録詩である「時代の憂鬱」では「これが進歩なら、便所紙にでも使おう/いや!汚くて便所紙にも使えない」と、進歩・左派陣営の虚偽を告発した。「選挙の季節に合宿しながら、一つの部屋に二十人が重なり合って寝た頃、私の服の中に手が入ってきたのです。その時、当時の先輩の姉さんにだけ話をしたら、その姉さんがこう言ったんですよ。『お前が運動を続けよと思うならば、これよりもっと酷いことにも我慢しなければならないよ。』セクハラだけでなく、運動をやりながらも権力を追い求める人たちを見て、疑問をいっぱい感じましたね。」

2005年に出た詩集であるが、今の社会に対する批判としても読まれている。詩人は「ミートゥー(Me too)運動以降だからこそ、この詩が十分に評価されているのではないか」と希望を表した。「時代の先頭を行くような詩集だと話をたくさん聞きました。私は不当な目にあえば、それを忘れることが出来ずに、一人で何度も反芻するんです。その敏感さのために、ちょっと先を行っているのかも知れません。」

こういう下ネタの話題は「右」も「左」も関係ないですね。 これは日本でも同じことです。 下記の拙稿をご笑覧いただければ幸甚。

【拙稿参照】

Me Too:韓国を揺るがす著名文化人のセクハラ暴露 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/02/28/8795521

相次ぐ有名人の性暴行事件      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/12/29/9194983

人権派ジャーナリストの性暴力事件  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/02/01/9031087

活動家によるレイプ事件考      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/03/07/2708813

それは泣き寝入りではなく自殺だった http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/08/19/5296007

解放運動の「強姦神話」        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/07/28/1685192

暴力にみる民族的違和感   http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daihachijuunanadai

【韓国の性犯罪に関する拙稿】

韓国の性犯罪              http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/31/6560292

『SAPIO』の間違い記事 「韓国の強姦は日本の40倍」 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/11/09/6628993

韓国における強姦と強制わいせつ件数   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/17/6748307

韓国の盗撮事件             http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/07/02/6884663

韓国の盗撮事件(2)          http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/07/09/6895271

韓国の盗撮事件(3)          http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/08/29/6964341

韓国性犯罪は半減―KBSニュース    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/01/17/7195563

韓国の性犯罪は半減(2)        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/02/13/7221436

露出狂はやり過ごせ―韓国の専門家    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/09/10/7787065

朝鮮戦争時の性事情の一風景(1)    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/10/16/7010068

朝鮮戦争時の性事情の一風景(2)    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/10/19/7014046

在韓米軍の慰安婦の話(1)     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/10/25/7473061

在韓米軍の慰安婦の話(2)     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/10/30/7477690

在韓米軍の慰安婦の話(3)     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/11/03/7482041

在韓米軍の慰安婦の話(4)     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/11/07/7485014

終戦時、朝鮮での強姦事件     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/22/8416092

戦争での強姦事件被害資料     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/18/8408881

最初の韓流ブーム         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/08/06/8934724

コロナ、日本で韓国の支援を求める意見―国民日報2020/04/09

 韓国の『国民日報』という新聞に、日本のテレビ番組でコロナ検査について韓国に支援を求める意見が出たというのが、記事に出ました。(4月7日付け) 訳してみました。 http://news.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0014452869&code=61131211&sid1=int

「韓国に助けてくれと言おう」日本の嫌韓放送で出た意外な主張 感染症専門家「韓国はできる、検体を送ろう」

最近、日本の時事番組で新型コロナウィルス感染症(コロナ19)克服のために、韓国に防疫支援を要請しようという日本の主張が出た。 この専門家はつい最近まで韓国式の早い検診を批判してきたのだが、この番組は嫌韓発言でしょっちゅう論難されていたくらいで、日本内の変化を見せてくれるという点で目を引く。

昭和大学医学部の客員教授であり感染症専門の二木芳人は、去る5日のフジTV「ミスターサンデー」に出演して、日本も遺伝子増幅(PCR)検査を積極的にせねばならないと主張し、「韓国に支援を要請しよう」と語った。

芳人は、「日本で検査をあのようにたくさん出来るのか」という進行役の質問に「東京で独自に進めるには足りない。 だから隣の韓国に支援を要請せねばならない」と答えた。

「韓国は可能だということか?」と進行役が皮肉っぽく言うと、芳人は断固として進行役の発言をさえぎり「韓国であれば十分に出来る」と語った。 さらに「韓国の人を日本に来るように要請するのは無理があるので、検体を送って1時間以内に出てくる分析を支援してもらわねばならない」と語った。

そうすると進行役はいきなりマーズ(中東呼吸器症候群)事態に言及して、急いで話題を変え、芳人の主張を認めることが出来ないという風に慌てて話を終えた。

芳人は最近まで、検査をたくさんすれば医療崩壊状況になると主張した学者だった。 韓国式の積極的検査よりは重中患者治療に重点を置く日本式モデルを主張してきた彼が、急に言うことを変えたのだ。 それくらい日本内部にコロナ19拡大に対する不安と憂慮が広がったと考えられる。

「ミスターサンデー」は韓国をけなす嫌韓内容で有名な放送で、進行役の宮根誠司もやはり嫌韓発言をしょっちゅうするものとして悪名が高い。    (ユ・スンヒョク インターン記者)

 日本に対して何かにつけて腹を立てている韓国なのですが、その日本がしかも嫌韓番組で我が韓国に助けを求めているとあって、韓国人にとって溜飲が下がる思いがよく表れた記事ですねえ。

 それはともかく十数年前の2000年代初めころ、日本の失われた20年の経済不振に対し韓国の経済成長によって「韓国に学べ!」という意見がたくさん出ました。 またスポーツ面でも日本は世界から遅れたとして、韓国からコーチを招へいすることがありましたねえ。

 この時のことを思い出しますと、今度は医療検査で「韓国に支援を求める」ということで、悪いことではありません。

 それぞれのお国柄の違いで、やり方が違ってくるのは当然です。 今のところ日本はうまくいかなくなってきており、逆に韓国は比較的うまくいっています。  それぞれの体験をお互いに学び合って、時には支援を求めるのは、自然なことだと考えます。

韓国語の雑学-将棋倒し2020/04/15

  韓国の『朝鮮日報』(4月9日付け)を読んでいたら、次のような記事がありました。   https://news.chosun.com/site/data/html_dir/2020/04/08/2020040804861.html

 記事のタイトルは

"장기튀김을 아십니까" 임꺽정-박완서-이문구 사전 펴낸 75세 이 남자

「将棋倒しを知っていますか」 林居正-朴婉緒-李文求 辞典を出した75歳の男

です。 その「将棋倒し」について、次のように解説しています。

‘장기튀김이라는 순우리말도 있다. 팻말이 연이어 넘어지는 모양을 가리키는 외래어 ‘도미노’와 같은 뜻이다. “꺽정이가 그 사람의 손을 쥐고 돌아서서 한번 떠다밀었더니 그 사람은 고사하고 그 사람 뒤에 겹겹이 섰던 구경꾼이 장기튀김으로 자빠졌다.”

「将棋倒しというのは韓国固有語でもある。立札が続けざまに倒れる様子を指し示す外来語の「ドミノ」と同じ意味だ。「林居正がその人の手を掴み、振り返りざまに一度強く押しやると、その人はおろか、その後に幾重にも立っていた見物人たちが将棋倒しで倒れた。」

 ここでビックリしたのは、「장기튀김」を「순우리말(韓国固有語あるいは純韓国語)」としているところです。 「장기」は「将棋」という漢字語であり、元々は中国語の「象棋」、それが日本では「将棋」となりました。 朝鮮では中国の漢武帝が設置した漢四郡(紀元前100年頃)時代には入ってきて、「象棋」「象戯」と呼ばれてきたようです。 そして何時の頃か分かりませんが、日本と同様に「将棋(장기)」となったわけです。

 このような歴史から明らかなように「장기」は漢字語であって、韓国固有語ではありません。 なお「튀김」は「튀기다(はねのける、はじく)」の名詞形で、これは韓国固有語と言えます。 従って「장기튀김」は、言葉そのままに「将棋倒し」の意味になります。 

 さらに「将棋倒し」という言葉は、日本では600年以上前の14世紀の『太平記』に出てきており、その時には既に使われている言葉です。 また中国や朝鮮の将棋の駒は丸いもので、立てることが難しいですが、日本の将棋の駒は立てることが出来ます。 すると「将棋倒し」は日本だけの独特の言葉と言えます。 おそらく日本では600年以上前から将棋倒しゲームが流行っていたと考えられます。

 すると韓国語の「장기튀김」は、日本の「将棋倒し」を韓国語に翻訳した言葉だと判断できます。 ただそれが何時のことかは分かりませんでした。

 ということで冒頭の記事に戻りますと、本来日本語であった「将棋倒し」が韓国固有語と説明されていたことで、ビックリしたのです。

 先述したように、韓国の将棋の駒は丸くて立て並べることが出来ませんから、韓国人には「장기튀김」の「장기」が「将棋」とは思いもよらなかったのでしょうねえ。

 今回は、韓国語の雑学でした。

日韓-お国柄の違いでコロナ対策も違う2020/04/17

 FNNのソウル支局長である渡邊康弘記者が、4月14日付けで韓国のコロナ対策状況を手際よくまとめています。 https://www.fnn.jp/articles/-/31819

 この記事にありますように、韓国と日本とのお国柄の違いでコロナ対策も大きな違いを見せています。 どちらが正解かはさておき、今のところ韓国ではコロナ拡大の抑制に成功しており、それに対して日本では抑制できていません。 韓国の成功の秘訣が

① 大量PCR検査を支えたのは徴兵代わりの「公衆保険医」

② 住民登録番号で可能となった濃厚接触者の割り出しとマスク配布

ということです。

新型コロナウイルス対策を日韓で比較する事で、図らずも国の在り方の大きな違いが浮き彫りになった。同じ自由民主主義国家を標榜しているものの、準戦時体制であり徴兵制や住民登録番号制度を持つ韓国と、戦後多くの国民が国家権力強化への強いアレルギー反応を示してきた日本とでは、新型コロナという国家的危機へのアプローチの仕方がまるで違うのだ。

 つまりは韓国と日本では国の在り方があまりに違っていて、成功している韓国の制度とやり方は日本では導入が難しいということですねえ。 コロナは韓国に学べ!という主張は、準戦時体制をつくれ!というのと同じだということになります。

 そして、この記事は最後に次のようにまとめています。

現在世界各国はコロナとの戦いに集中しているが、今のところ共産党が支配する中国や、徴兵制があり、政府の権限が強い韓国で封じ込めが上手くいっているように見える。今は目の前の危機に対処するので精一杯だが、新型コロナとの戦いが収束した時、私たちは「自由」「人権」「プライバシー」などの普遍的とされる(された?)価値と、どう向き合うのだろうか。コロナウイルスがもたらした危機は、国の在り方すら根本的に変えてしまうかもしれない。

 ここはちょっと考えさせるところです。 「自由」「人権」「プライバシー」を尊重する日本国憲法下でコロナ危機がさらに激しく深化していったならば、一体どうなるのか? 国家の強権体制を望む声が大きくなるのかも知れません。

韓国語の雑学-下剋上2020/04/22

 『朝鮮日報』4月20日付けに「‘兵士がシャベルで女部隊長を暴行’…下剋上相次ぐ韓国軍」と題する記事がありました。 え!軍隊内で「下剋上」とは!? 兵士が上官に暴行を加えて上官の地位に就く越権行為をしたのかな?などと思って、ビックリしました。

 記事の内容は次の通りです。

京畿道の陸軍部隊で、兵士が野戦用シャベルで女性軍の中隊長に暴行を加える事件が発生し、捜査を受けていることが20日、分かった。

韓国軍によると、この部隊に所属するA上等兵は先月末、射撃場の防火地帯作戦に投入された。 射撃場防火地帯作戦とは、射撃場内の草刈りなどを行う作戦だ。 しかしA上等兵は作業が数日間続くと「つらくてこれ以上できそうにない」と言って作業を最後まで遂行しなかった。 そのため中隊長のB大尉がA上等兵を呼んで面談を実施したところ、途中でA上等兵がB大尉に暴行を加えたという。

韓国軍の関係者は「A上等兵が面談中にB大尉に『兵力統制が厳しすぎる』と不満を吐露した」として「B大尉が諭したがA上等兵が怒りを抑えられず、袋に入れて準備してきた野戦用シャベルを大尉に振り下ろした」と説明した。 A上等兵は現在、特殊傷害容疑などで軍警察に拘束され、捜査を受けている。

韓国軍では最近、相次ぐ「下剋上」が物議を醸している。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/04/20/2020042080328.html

   韓国語辞典を調べてみると、「하극상(下剋上)」は次のように説明されています。

계급이나 신분이 낮은 사람이 예의나 규율을 무시하고 윗사람을 꺾고 오름

階級や身分の低い者が礼儀や規律を無視して目上の人をへし折ってやること

   つまり韓国では「下剋上」とは、下部の人間が上部の言うことを聞かず、時には暴行まですることまでを意味しているのであって、権力・権限を掌握するようなところまでは意味を含んでいないということです。 従って、いわゆる「抗命」ですね。 韓国では「下剋上」は「抗命」と同じ意味のようです。

 日本では「下剋上」は、

下位の者が国主や主家など上位の者を政治的・軍事的に打倒して実権を握る行為

と説明されており、鎌倉時代の『源平盛衰記』や南北朝時代の『太平記』などに既に出てきます。 

 「下剋上」はもともと中国古典に出てくる言葉でしたが、中国ではそれほど普及せず、むしろ日本で中世の武士社会成立後にかなり使用されるようになった言葉です。 その漢字語を韓国では「하극상」とハングル読みして「抗命」と同じ「上官に対する反抗」という意味で使っている、ということですね。

 日本と韓国とでは、同じ漢字語でも意味が違うことの典型例です。

 ところで韓国の軍隊で「下剋上=抗命」が相次いでいるとは、綱紀が乱れつつあるようです。 韓国軍の質の低下は数年ほど前から指摘されてきています。 拙ブログでも1年前に論じたことがありますので、再録します。

今の韓国は日本以上の少子化で、合計特殊出生率1.0以下にまで落ち込んでいます。(ちなみに日本は1.43) 韓国女性は平均して一人以下の子供しか産まないのです。 出生した子供の数を調べてみますと、1990~95年の年平均出生数は70万2千人、その20年後の2010~15年の年平均出生数は45万5千人と減少し、そして昨年の2018年は1年間に32万7千人、今年の出生予測値は30万9千人と減少幅がさらに大きくなっています。

この世代が20年後の成人になった時、徴兵対象の若者の数が非常に少なくなることは明らかです。 とすると、これで軍隊を維持できるのだろうか?と疑問に思われます。

その兆候はもう既に現われているようで、昔なら徴兵検査で不合格にしていたような若者でも徴兵せねばならなくなってきて、韓国軍の質が低下しているそうです。 これは韓国のマスコミで時々報道されていますね。 厳しい訓練が難しくなってきているといいます。

報道では、軍隊に行っている息子が心配で所属部隊に毎日のように電話する親たちがいて、部隊側もそんな親たちを安心させようと専用の電話を置いている事実に、軍隊は幼稚園か!?と嘆く新聞記事がありました。 また野外訓練や歩哨に立つ兵士、海軍艦艇に乗り組む水兵なんかが禁止されている携帯電話を持ち込み、こそっと家族や恋人らと通話していたことが相次いで発覚したという記事もありました。

これからも徴兵対象の若者がどんどん減っていく韓国では、軍隊の質の低下がさらに進むかも知れません。

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/05/31/9079082

ポルノ映像出演者に芸能人をすり替える―韓国2020/04/28

 このごろは外出を自粛して、家に閉じこもっています。 ストレスのせいかモチベーションが下がり、本もあまり読まなくなってきました。 一旦下がったモチベーションは回復が難しいようで、コロナ禍が終息しても続くような気がします。

 韓国のニュースを読んでも、くだらない記事にばかり目が行きます。 そのうちの一つを紹介します。

 『朝鮮日報』4月20日付に、ポルノ映像の顔を有名芸能人に顔にすげ替えて流布・販売するという事件に、捜査が着手されたという記事がありました。 とんでもない事件です。 日本でも多分同じで、ただ表面化していないだけのような気がしますね。 

 ところで韓国ではコロナ禍で学校の授業がオンラインで行なわれている場合が多いのですが、女性講師の授業がインターネット上に流出し、「こんなブスが教師だなんて」とかコメントをつけられたり、時にはその顔をポルノ映像の女優にはめ込まれたりする悪戯が相次いでいるそうです。 そのために韓国のオンライン授業では、女性講師が顔を出さないで授業できるようにしてほしいと要望しているというニュースがありましたねえ。

 こんなことが何故面白いのか、よく分かりませんが、悪の種は悪意を持つ人間にはコロナ禍という非常事態下でも探し出すものだ、ということと思います。

 ということで、『朝鮮日報』の記事を訳してみました。

https://news.chosun.com/site/data/html_dir/2020/04/20/2020042000084.html

芸能人100人の顔を合成して猥褻物制作

韓中のIT開発者たちが人工知能を利用    「ディープフェイク ポルノ」数千個を作り     会員1万4000人のサイトを運用

警察は、IT開発者たちが韓国の芸能人100余人について「ディープフェイク」猥褻物を組織的に制作して流布したという状況をつかみ、捜査している。 ディープフェイク映像というのは、人工知能を意味する「ディープランニング(deep learning)」に「フェイク(fake・ウソ)」を合成した単語で、人工知能を利用してウソの合成を作り出す技術を意味する。

ソウルの麻浦警察署は、海外にサーバーを置いたサイトから韓国の芸能人100余人を対象にした、ディープフェイク猥褻物3000余個が制作・流布・販売されたという告発状を受理し、捜査に着手したと19日に発表した。 警察等によると、このサイトは2018年に開設されたもので、サイト運用には韓国人だけでなく中国人等IT開発者たちが加担したものと分かった。 彼らが情報を共有している別の秘密コミュニティに加入した会員の数だけで、先月の基準で1万4000人に達した。

ディープフェイク映像は、合成しようという人物の多様な角度の写真を数百枚入力した後、人工知能でまるで実際の人物の動画のように制作するものである。 オンラインで写真を容易く入手できる有名人がターゲットになりやすい。 まずポルノ俳優に有名な芸能人の顔を合成する技術として知られ始めたが、最近では「ウソのニュース」とともに政治圏での議論にも浮かび上がった。 2018年に、オバマ前大統領が「トランプのクズ野郎」と言う映像で有名になった時もあった。

警察等によれば、このサイトの会員多数がディープフェイクの猥褻物を作るのに積極的に加担したという。 どの芸能人の映像を制作するのかを投票し、女性芸能人の写真と原本ポルノ映像を共有したりしていた。 制作方法を教える掲示板が別に運営されていて、サイト運営者は会員たちにディープフェイク制作プログラムを別途に提供していたという。 このサイトには今年になって毎日40余り以上の不法動画が上がってきており、一部の猥褻物はクレジットカードで販売されていた。 警察はこのサイトのサーバーが中南米の国にあるものと見て、捜査中である。