新型コロナ検査の信頼性 ―韓国と日本では違うのか? ― 2020/03/10
新型コロナウィルス感染症について、韓国では検査数が非常に多いことを理由の一つとして、韓国政府が自国の防疫体制は優れていると誇っているというニュースがありました。 『朝鮮日報』はこれを「自画自賛」だとして、批判していましたねえ。 こんなことは皆さんご存知だと思いますので、今さら書くこともないでしょうが。
ところで日本では新型コロナ検査の信頼性について、それほど高くないとされています。 たとえば毎日新聞の3月9日付の「超高齢化時代を生きるヒント PCR検査は絶対か?」という記事では、次のように報じています。 https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200306/med/00m/100/016000c
新型コロナウイルスのPCR検査 ‥‥実はこの検査、今言われている検査の信頼性でいうともう一つなのです。
PCR検査の感度を高く見積もって70%としてみましょう。感度70%ですから、10人のうち、7人が陽性と判断され、3人は見逃されます。 ‥‥ たとえば、あなたが新型コロナウイルスの感染者で、検査を受けたとします。本当は感染しているのに30%もの確率で、陰性と判断されてしまいます。
実は検査は万能ではないのです。特に今回の新型コロナウイルスで用いられているReal time PCR法という検査の感度はかなり低く、新型コロナウイルスに感染していても陰性と判定されてしまう確率が高いのです。
一方、韓国では検査の信頼性について、どのように報じられているのか。 探してみるとなかなか見つからないのですが、『韓国経済』の3月6日付の「10分でコロナ19の診断をする抗原診断キット、信頼性に論難、何故か?」と題する記事がありました。 https://www.hankyung.com/it/article/202003062137i
韓国では、コロナ検査には日本と同様のPCR検査以外に、抗原・抗体を利用して行なう検査もあるようです。 これが10分で出来るという優れものだということなのですが、
専門家たちは抗原診断キットの正確度を大体80パーセント内外と見ている。 (전문가들은 항원 진단키트의 정확도를 대략 80% 안팎으로 보고 있다)
つまりこの検査法は正確度が低く、韓国では批判されているという記事でした。 それでは韓国で一般的に行われている検査法は日本と同じPCR法なのですが、これの信頼性はどうなのか? 記事は次のように報じています。
現在の防疫当局が使用しているRT-PCR検査法は ‥‥ 正確度は95パーセント以上と高いのであるが‥‥(현재 방역당국이 사용하고 있는 RT-PCR 검사법은 ‥‥ 정확도는 95% 이상으로 높지만‥‥)
つまり韓国ではPCR検査法はかなり高い信頼性があるとされているのです。
同じ検査法なのに、日本と韓国では信頼性の違いがあるのは一体なぜなのでしょうか? これを説明してくれる記事が見当たりませんねえ。
ところで韓国ではドライブスルー検査といって、運転者が車から下りずに新型コロナ検査をする方式が報道されていました。 素早く検査できるとあって、世界から注目されているようです。 被検者が運転席で上半身と頭を横にひねって顔を向け、防護服を着た検査者が鼻やのどに長い綿棒を突っ込んで粘液を採取する様子が出ていました。 果たしてあんな格好で検体を十分に採取できるのだろうかと、素人ながら疑問を感じました。