韓国の二重国籍容認 ― 2008/09/07
韓国では二重国籍を容認する方向で動いているようです。 http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=3782&thread=04
この記事のなかで気になることは、
>二重国籍保有が可能になれば、秋山のように数世代にわたって韓国籍を保持してきた在外韓国人が、国籍問題で悩むことは大幅に減少するものと見られる>
という部分です。 日本の国籍法では、帰化する場合、原国籍の放棄をせねばなりません。つまり在日が帰化するには、韓国国籍を放棄することが条件になります。記事では、韓国は在日が日本に帰化しようとしても韓国国籍は離脱しない、とするようですので、在日は日本には帰化できないことになります。 これでは二重国籍容認ではなく、他国への帰化阻止ということになります。
また二重国籍が >国籍問題で悩むことは大幅に減少する> ということになるのかどうか。二重国籍の問題点は拙論で論じました。 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daisanjuusandai 二重国籍は新たな悩みを作るように思えるのですが‥‥。
コメント
_ n. ― 2009/09/21 01:12
_ 辻本 ― 2009/09/21 06:55
日本の国籍法では、帰化の条件として原国籍を失うことを明記しています。
しかしおっしゃる通り、国によっては原国籍を離脱できない場合があります。
この場合は、本人が原国籍を放棄する意思を示し、日本政府が事情を認めるときは、帰化が許可されることになります。ただし原国籍離脱の証明が得られないので、手続きがちょっと複雑になるようです。
つまり実際のところは「他国への帰化阻止」にならないというご指摘は、その通りです。
_ 辻本 ― 2009/09/21 13:30
なぜなら日本への帰化は原国籍放棄が条件ですので、二重国籍になるという意思を持つ限り困難になります。
_ n. ― 2009/09/21 21:35
いいたいのは2重国籍を持つという意思はあっても明言せず、お得意の「実質」ならOKというような人多数と思えるんですけど。 あまり悩んだりはしなそう。
秋山さんという方はある程度有名なのでメディアに問い詰められるので「困難」というのはわかりますが、多くはどうなんでしょう?今の日米2重国籍並にケンチャナヨではないのではないか。
_ 辻本 ― 2009/09/22 08:27
ザル法だから二重国籍になるのではなく、日本と米国の国籍法の違いから出てくるものです。米国の国籍法は出生地主義ですから、二重国籍が非常に生じやすくなります。
>外国籍を取得した人はその時点で日本国籍を法律的には「自動的に」失いますが、法務局に届け出なければ戸籍はそのまま残る。
この戸籍は、抹消の手続きがなされていないだけであって、無効のものです。
>戸籍残ってことで日本人になった「フジモリ」元大統領なんてケースもありましたよね。
フジモリさんの場合は、ペルーで出生したことによりペルー国籍を取得したのであって、自らの意思で取得したのでありません。従って日本国籍は離脱せず、日本に残っていた戸籍は有効です。
>2重国籍を持つという意思はあっても明言せず、お得意の「実質」ならOKというような人多数と思えるんです
帰化申請の際に、実際はそのつもりがないのに、原国籍を放棄する意思を示して、帰化が許可された場合ですねえ。これは「意思」を偽装することですから、本来は無効ですが・・。
>秋山さんという方はある程度有名なのでメディアに問い詰められるので「困難」というのはわかりますが、多くはどうなんでしょう?今の日米2重国籍並にケンチャナヨではないのではないか。
韓国の国籍法では
「大韓民国の国民であって自ら外国国籍を取得した者は、その外国国籍を取得したときに大韓民国の国籍を喪失する」
と日本と同様の規定があります。現行法では、秋山さんが日本に帰化すると、韓国国籍は自動的に喪失し、二重国籍を持つことはできません。ただしこれも日本と同様に、韓国に残っている戸籍は抹消されないままになる可能性はあります。
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