嫌韓派と韓流派2015/01/17

 今の日本では「嫌韓派」が大きな勢いを得ています。 嫌いなら無視すればいいのにと思うのですが、そうではなく韓国に関する本やネット記事を熱心に読むなど、非常に関心の高い人たちです。 しかし彼らのほとんどが韓国語を知らないし勉強しようともしないという特徴があります。 ネットで嫌韓のコメント・投稿する人は韓国語ができないと見て間違いありません。 韓国に関心がありながら韓国語ができないという‘嫌韓派’の姿は、興味深いものです。

 一方では、韓流にはまった人(「韓流派」―中高年女性が大半)が韓国語を熱心に勉強しており、上記の‘嫌韓派’とは非常に対照的です。 冬ソナを契機に始まった韓流ブームは10年余りを経て来ましたから、その時に韓国語の勉強を始めた人のなかには韓国語能力試験最高レベルの級を獲得している人が続出しています。 また70を越えた白髪の女性が韓国語教室に通い一所懸命に勉強する姿はしばしば見かけるもので、今時の若い学生たちに是非見せてやりたいものです。 

 つまり今の日本では韓国に高い関心を持ちながらも韓国語を勉強しようとしない人(嫌韓派)と、熱心に勉強している人(韓流派)という二つの大きな流れがあります。 それ以外に韓国に批判的でも韓国語をやっている人や、反対に韓国の反日に連帯しながらも韓国語ができない人なんかもいますが、これは少数ですね。

 そして次に大きな特徴として、‘嫌韓派’と‘韓流派’とが全く交わっていないことが挙げられます。 だから‘嫌韓派’は本屋では嫌韓本や嫌韓雑誌ばかりに目が行き、韓流雑誌には目が行きません。 また韓国映画や韓国歌手リサイタルにどれ程のファンが押し寄せるのかについて、‘嫌韓派’は見ようとも知ろうともしません。

 これは逆に、もう一方の‘韓流派’が本屋に山積みになっている嫌韓本や雑誌には目もくれず、だからその方面の知識がほとんどないのと対照をなしています。

 さらに特徴として挙げられるものは、‘嫌韓派’は体験に基づくものが余りなくてネットや本、雑誌などでの偏った情報ばかりを追求しています。 だから特定の政治的社会的テーマではこと細かく知っていながら、初歩的・基礎的知識に欠ける場合が多くなっています。 嫌韓派は拙ブログでも投稿・コメントをよくしてくれますが、私にはヘエー!?こんなことも知らないで韓国を批判しているのか!とビックリして参考にならないのが多いものです。 またレイシズムとしか言い様のない非常識なものも多いです。 けれど本人が自分のことをレイシズムや非常識とは自覚していないのは困ったものです。 なお拙ブログでは、こういうものは公開しないようにしました。

 一方‘韓流派’は何べんも韓国旅行に行ったり、また韓国人の友人を作る場合もよくあるので、その経験に基づく知識は貴重なものです。 百聞は一見に如かずという諺があるように、体験で得られた知識は頭のなかで得られた知識より優れているものなのです。 しかしこういう人の投稿がほとんどないのは寂しいですねえ。

 それでは‘嫌韓派’と‘韓流派’、どちらが優勢か?と問われれば、データがないので分からないとしか言いようがありません。 現在言えるのは、‘韓流派’は「冬ソナ」を契機として沸き上がったブームが今衰えてきてはいるがまだ根強いものがあるということと、もう一方の‘嫌韓派’は李大統領の竹島上陸や天皇謝罪要求発言以降に大きな勢いを得て今に至っているが、在特会というトンデモ集団の跳梁やインターネット上での非常識なコメント・投稿などに対して世間から逆風が吹き始めたようだ、ということです。 

 ‘嫌韓派’はこの「トンデモ」「レイシズム」「非常識」が消え去り、‘韓流派’並みに韓国語を勉強して韓国を体験するようになれば良質の社会層となるだろうと思います。 また一方の‘韓流派’は「韓国大好き」を維持しながらも‘嫌韓派’並みに日韓の社会や外交、歴史等を勉強するようになればいいなあと思っているのですが‥‥。

【拙稿参照】

中高年女性の韓流ブーム      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/10/30/5457817

過激な言動は犯罪を生む      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/23/6755958

私がコメントしない訳       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/03/06/7238847

嫌韓は「日本の韓国化」である   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/12/23/7522145

水野俊平『笑日韓論』 (続)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/09/20/7439097