韓国の伝播論と日本の由来論2006/04/26

 韓国人の歴史の関心の対象は、わが民族の文化が日本にどのように伝播したか、である。来日する観光者だけでなく研究者も、この観点でやってくる。日本各地で、ここにも韓国文化がある、あそこでもわが先祖が活躍した、といった歴史を確認しようとする。極端な場合は、日本の文化はすべて朝鮮からのものであるとまで言う人もいる。

 一方日本人の主な関心は、わが文化の由来は何か、どこからの影響があったのか、というところである。様々なところからの影響があってより高い文化が成立していくと考える。その由来場所の一つが朝鮮半島である。それはいくつかあるうちの一つである。

 日本人なら、韓国の文化は中国からも日本からも影響があったはずだから、彼らも自分の文化の由来を我々と同じように関心があるはずだ、と考えるだろうが、実際にそういうことはない。韓国人は自分の文化の由来にほとんど関心を持たない。関心があるのは、自分たちの優秀な文化がいかに広まったかの伝播論である。

 韓国の伝播論と日本の由来論とは妙に一致するところとなるが、両者の歴史認識の根本は全く違うものである。 日本と韓国の歴史認識の一致は極めて困難である。