日本は単一民族か多民族か ― 2008/09/27
新しく就任した中山大臣が「日本は単一民族」と発言して、マスコミからかなり批判されているようです。 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/120091.html
拙論ではこのことについて、第103題で次のように論じました。 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daihyakusandai
>(日本は単一民族か)
日本の場合では、アイヌや沖縄の歴史と伝統の違いを見るならば「単一民族国家は虚構」となります。しかし彼らが明治以降に日本語を母語とし、言葉だけでなく意識も全て日本語を使い、そしてまた彼ら自身が日本国家と運命をともにしてきたという歴史を見るならば、日本は「単一民族国家とも言える」となります。
従って「単一民族国家は虚構」と一方的に決め付けるのは間違いでしょう。>
また同論考では中国の単一民族志向について、次のように論じました。
>(中華民族 ― 中国の単一民族志向)
「中華民族」とは、少数民族を含めて中国国民を総称する言葉で、孫文がすでに使い始めていますから、100年近い歴史のある言葉です。「“民族”をキーワードに世界を読み解く」(13頁)と豪語するこの本が「中華民族」に全く言及しないのは、いかがなものでしょうか。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%B0%91%E6%97%8F
「民族」というものは「明確な基準がない」(8頁)ものです。だから、融通無碍に使うことができます。
「中華民族」は中国国民の総称ですから、中国は単一民族の国家という意味になります。中国が国内に少数民族の存在をもって多民族国家としながらも、同時に「中華民族」という単一の民族国家だという理念を主張しているのは、「民族」という言葉のもつ融通無碍性によるものです。>
(参考) 第67題 単一民族国家と差別 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dairokujuunanadai
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。