韓国のマスコミが語る「中国の歴史歪曲」2010/10/17

 韓国の有力紙『朝鮮日報』に次のような小さな記事がありました。  ちょっと興味をもったので、訳してみました。

>高句麗領土、朝鮮半島内に縮小し、渤海を唐の地方政権だと言い‥

>中国の歴史教科書 歪曲 深刻

> わが同朋が多く暮らしている中国延辺地域で、最も多く使う人民教育出版社など、中国歴史教科書7種類、総126冊を分析した結果、韓国史歪曲が深刻であることが分かった。

> 6日、ハンナラ党の朴ヨンア議員が東北アジア歴史財団から提出された ‘中国歴史教科書の我が国に関する記述の現況’ 資料によると、中国歴史教科書の大部分が高句麗の領域を朝鮮半島内に縮小して叙述していることが分かった。例えば中国四川教育出版社の中国歴史教科書は、魏・蜀・呉が対立していた三国時代の、魏の領土が朝鮮半島中部地方にまで及んでいたものと表示していた。東北アジア歴史財団側は「高句麗史の叙述と関連する歴史教科書の大部分が、高句麗の領域を朝鮮半島内に縮小した」と明らかにした。

> わが国の歴史も一部を貶下(侮辱の意味)した。唐の対外関係を叙述する際に、新羅が唐に進出した留学生や商人たちの為に設置した新羅坊を、まるで唐が設置したように記した。人民教育出版社教科書は「新羅は唐の制度を模倣し、政治制度を作った」と書き、渤海を靺鞨族が建国した唐の地方政権と規定したりした。>(2010年10月7日付け)

 一読して、なぜこれが「歴史歪曲?」と疑問を抱きます。

 高句麗の最盛期の最大領域は満州地域のかなり広い範囲を含みますが、末期になると朝鮮半島の北半部を中心とする地域に限られるようになります。

 また魏が朝鮮半島の北部や中部に楽浪郡と帯方郡を置いて統治していたのは、いわゆる「魏志倭人伝」にある通り、歴史的事実です。

 新羅坊を、本国である新羅が設置したのか、唐が設置したのか、何とも言えないところです。

 新羅は律令制を敷きます。これは日本も同様ですが、おそらく導入当初の律令は中国を模倣した考えるのが自然だと思われるのですが‥。

 渤海の歴史は、建国時について『朝鮮を知る辞典』(平凡社1986)から引用すると、「彼らは大祚栄を中心に、靺鞨人および高句麗人によって構成されていた。初め大祚栄は唐に対抗するため突厥に援助を求めたが、まもなく唐に渤海郡王に冊封された。以降渤海を国号とするようになる」とあります。靺鞨人の国と言ったら半分間違いであり、同様に高句麗人の国と言っても半分間違いということになりましょうか。

  我々は歴史の歪曲と言えば、原史料の調査が不十分だったり、史料の取り上げ方が偏っていたり‥というようなことを意味しますが、韓国では歴史の見方が自分たちと違っていることを「歪曲」と言うようです。

 歴史の見方というのは、個人でも百人百様、国によっても違うのが当たり前です。歪曲か否かは、歴史史料を実証主義的に厳密に取り扱ったかどうかで決めるべきだと思うのですが‥。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/10/17/5420260/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。