4・3事件 南労党を隠ぺいする毎日新聞2020/02/29

 2月26日付けの毎日新聞の地方版に、「日韓朝への思い、自叙伝に 歴史狭間の人々描く 徳山物産前会長・洪性翊さん」と題するコラムがありました。    https://mainichi.jp/articles/20200226/ddl/k27/070/248000c

 この中で1948年に済州島で起きた4・3事件について、疑問の記述がありました。 矢追健介記者は洪さんの母親について、次のように解説します。

母の康在順(カンジェス)さんは韓国・済州島出身。48年には虐殺事件(済州島四・三事件)が起きた。朝鮮半島が分割統治された時代で南側の政権が単独国家を立てようとし、南北の分裂に反対した民衆の一部が蜂起。島民数万人が弾圧の犠牲になったとされる。母は九死に一生を得て日本へ逃げた。

 ここでは4・3事件が「民衆の一部が蜂起」とありますが、実は南労党(南朝鮮労働党)の軍事組織である武装隊(山部隊あるいは遊撃隊ともいう)が引き起したものです。 「民衆の蜂起」とは決して言えるものではありません。 正確に言うと、南労党の軍事組織が民衆を巻き込んで蜂起したのが、この事件です。 しかし毎日の記事には、事件の主役であった南労党について何の言及もしていません。 そこまでして南労党を隠すのかという感想を抱きました。

 これは、日本では1970年代に過激派諸君が「暴動」を呼号して暴れ回ったとき、機関紙では「人民の蜂起・暴動」と書いたのと同じ論理ですねえ。 毎日は、南労党を隠ぺいしていると言わざるを得ません。 

 4・3事件については、下記拙稿をご参照下さい。

【拙稿参照】

済州島4・3事件の赤色テロ(1) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/06/10/8890890

済州島4・3事件の赤色テロ(2) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/06/18/8896622

済州島4・3事件の赤色テロ(3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/06/23/8900976

済州島4・3事件の赤色テロ(4)-警官家族へのテロ http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/06/30/8906338

済州島4・3事件の赤色テロ(5)―右翼家族へのテロ http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/07/05/8909472

済州島4・3事件の赤色テロ(6)―評価は公平に http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/07/10/8912907

4・3事件-南労党を隠ぺいする読売解説 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/11/19/9000560

韓国映画『チスル』        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/06/01/7332806

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