北朝鮮は社会主義の盟主を観念的に目指す2013/02/16

 しばらくの間、ブログから離れていました。これからも、そう頻繁には記事を書けそうにありません。元気回復するまで、しばらくお待ちを。

 それはともかく、先日行われた北朝鮮の核実験について、北はアメリカと対抗していこうとしている、という解説がありました。

 これについて、10年程前ですが、拙論「第57題 北朝鮮と小中華思想」で下記のように論じたことと同様のものです。ここは拙論の先見の明を自慢してよいのやら‥‥。         http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daigojuunanadai

北朝鮮はこの思想(小中華思想)を社会主義で再現した、と古田さんは喝破した。これを知ると、この国が超大国アメリカとの二者間の協議に固執する理由が見えてくる。かつてソ連が米帝と渡り合ったように、ソ連亡き後に社会主義の中心地となった我が国が渡り合わねばならない、と考えているのである。

工業や農業は崩壊状態、食糧難で餓死者多数、社会基盤整備は放棄、投資適格性で常に最悪の評価といった極貧国家が、なぜ分不相応に核を保有して世界を脅かすのか。また一方ではこの国が中国やロシアを資本主義に堕したと非難しながら、なぜ何かと頼ろうとするのか。<小中華思想>にそれを解く鍵がある。

 北朝鮮は小中華思想(=社会主義の盟主を観念的に志向)から、核保有国家になろうとしているのです。この事態が進めば、アメリカと覇権を争おうとしている中国といずれ衝突することになるでしょう。

 或いは、もし金正恩が現実的な指導者であるなら、核を放棄するでしょうけど、小中華思想は身に沁み込んでいますから、かつての李朝時代の朝鮮のように中国に実質的に従属しながら、口先で我が国こそが社会主義の理想を実現していると嘯き、時には理想に向けて実践するでしょう。

 将来のことは分かりませんが、北朝鮮が厄介な存在であリ続けることは間違いないと思います。つまり崩壊していただく以外に、朝鮮半島の平和と安定はやって来ないということです。