日本を見下す韓国(2)2016/12/22

 3ヶ月ほど前に、韓国の有力紙『朝鮮日報』に、「世界で唯一日本を見下す韓国人 」というコラムがあることを、本ブログで紹介しました。

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/10/06/8216253

 日経の鈴置さんが、今の崔順実事件の解説に際して、このコラムの論旨について賛同しておられます。 興味深いので、その部分を引用します。

なぜ、日本を叩いたのでしょうか。

鈴置:「日本よりも韓国が上である」ことを自ら実感し、世界にも示すには「日本を叩く」ことが必要だったのです。韓国では強い者が弱い者を徹底的に叩きます。その姿を周囲に見せてこそ、本当に強い存在となれるのです。              だから大統領が世界の指導者と会うたびに、若者は留学先の大学で外国人と話すたびに日本の悪口を言うようになったのです。朴正薫・論説委員のコラムに以下のくだりがあります。

我々は自らを過大評価してきた。日本と肩を並べたと気炎を吐いた。「地球上で日本を見下す国は韓国だけ」と外国人が驚いた。どれだけ空しい誇大妄想だったのか分かる。

2010年頃から韓国紙やSNS(交流サイト)で「地球上で日本を見下す国は韓国だけ」という言説が目立つようになりました。       「外国人が驚いた」という部分――。朴正薫・論説委員は「韓国人の傲慢さに外国人が驚いた」との意味で引用しています。          人によっては「韓国は日本の上の存在である。しかるにそれを初めて知って驚く外国人もいる。韓国が上になったことを世界に知らしめねばならぬ」との文脈の中で使います(「これが『卑日』だったのか――」参照)。           その頃から始まったジハード(聖戦)とも言うべき「卑日」運動には、そんな願いが込められているのです。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/112800079/?P=1

 鈴置さんはこう論ずる前提として、韓国人は2010年ごろから自分の国が一流先進国になって日本を追い越したという意識を持ち始めたとしています。

なるほど。韓国人は「先進国になった!」と信じていたのですね。

鈴置:今回の騒ぎを理解するには、まずそれを知る必要があります。2008年の世界同時不況を韓国はうまく切り抜けた。1997年に通貨危機に陥り、IMF(国際通貨基金)に救済された時とは様変わりでした。       GDPも世界で10位近くの規模に膨らみ「統一すれば世界で5位の経済力を持つ」との見方が広がりました。1人当たりGDPでも日本に追いつきそうになりました。

国際政治の場でも「日本を超えた」と韓国人は確信しました。民主党時代の日本は米国とも中国とも関係を悪化させた。反対に韓国人は、自分は米中双方と極めて良好な関係を築いたと信じたのです。        李明博(イ・ミョンバク)政権時代の話ですが、G20と核セキュリティ・サミットを2010年と2012年に、いずれも日本よりも先に主催しました。

2010年頃から韓国メディアには「一流国家韓国」「世界で尊敬され称賛される韓国」「日本を超えた韓国」との言説が溢れ返るようになりました。           韓国は精神の高揚期に入ったのです。史上初のことでしょう。朴槿恵政権が「米中を後ろ盾に日本と北朝鮮を叩く」外交を展開したのも、こうした背景があったからです。

 韓国は自分が一流先進国となって「日本を超えた」と信じて数年しか経っていないのに、崔順実事件という前近代的な起きた、だから韓国民の怒りがそれだけ大きかった、という解説です。 なるほど、そういう説明もあり得ますねえ。 私には説得力を感じました。

 しかしこのような分析は韓国人自身にやってもらいたいと思うのですが、崔順実事件に関連する解説ではなかなか見当たりませんねえ。 朴正薫・論説委員のコラムは事件発覚より半月前のものです。

 この事件について韓国の報道では、韓国人が平和的デモに徹していることに世界中が称賛しているという記事が目立ちます。 それまでの暴力デモとは違っているのは確かですが、果たして称賛までしているのですかねえ。 単に自画自賛しているだけのように思われるのですが‥‥。