「朝鮮半島の非核化」は「北朝鮮の非核化」とは違うのでは?2018/03/08

 韓国が北朝鮮の平壌に特使を派遣して金正恩に接見し、北朝鮮が大幅に譲歩して非核化を表明したとされています。 特使が韓国に戻り、接見の結果を発表したのが↑です。 このうち、非核化を表明したのは3・4番目です。 訳してみました。

특사 방북 결과 언론발표문      特使 訪北の結果 マスコミ発表文

3. 북측은 한반도 비핵화 의지를 분명히 하였으며 북한에 대한 군사적 위협이 해소되고 북한의 체제안전이 보장된다면 핵을 보유할 이유가 없다는 점을 명백히 하였음     北側は朝鮮半島の非核化の意志を明らかにし、北朝鮮に対する軍事的脅威を解消し北朝鮮の体制安全を保障するならば、核を保有する理由がないという点を明白にした。

4. 북측은 비핵화 문제 협의 및 북미관계 정상화를 위해 미국과 허심탄회한 대화를 할 수 있다는 용의를 표명하였음      北側は非核化問題の協議および北・米関係正常のためにアメリカと虚心坦懐な対話をすることが出来る用意を表明した。

 この中で3番目の「朝鮮半島の非核化の意志」という部分を、韓国は“北朝鮮が自分の国の非核化の意志を表明した”と解釈して、北朝鮮は大幅に譲歩したと受け取ったようです。 しかしこれは違うのではないかと思います。

 北朝鮮が言っているのはあくまで「朝鮮半島の非核化」であって、韓国の非核化すなわち韓国がアメリカの核の傘にあることも含めての「非核化」を意味しているからです。 北は、我が国が核を持っているのはアメリカが韓国にいるからだ、アメリカが韓国を出て行くならば非核化を考えてもいい、だから非核化についてアメリカと話し合うが韓国とは話し合わない、と言っているのです。

 北朝鮮は統一について、これまで「自主的」を主張してきました。 自主的とは外国勢力つまりアメリカを排除することです。 統一の最大の妨害となっているのがアメリカであり、これを排除するために核兵器を開発してきました。 つまり韓米軍事同盟を解消させてアメリカを追い出し統一を成し遂げる、そのための核兵器である、というのが北朝鮮の路線です。 今回の「特使 訪北 発表文」を読めば、この北朝鮮の路線と何ら矛盾していないことが分かります。 北朝鮮は譲歩なんかしていないです。

 北朝鮮は、韓国の文在寅政権を自分の方に引き寄せることに成功したと見るべきでしょう。

 【拙稿参照】

韓中共同声明―北の核をめぐるすれ違い  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/07/04/7379560

自主的、民主的、平和的統一       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/04/22/6421457

南朝鮮解放路線はまだ第一段階      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/30/6762019

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