北朝鮮の火葬2006/05/10

 拉致被害者曽我ひとみさんの夫で元米兵のジェンキンスさんが最近出した『告白』に次のような記述がある。

「1997年1月、ついにドナは亡くなった。北朝鮮の土に埋葬されたくないというドナの望みどおり、ドレスノクは遺体を火葬した。」(174頁)

 北朝鮮における火葬について関心があるのだが、残念ながらどのような火葬なのかが書かれていない。

 北朝鮮では火葬が奨励されていると言う人がいるが、本当にそうなのか。在日の親族訪問の記録がいくつかあるが、そこでは北で亡くなった親族はすべて埋葬であり、火葬はない。

 北当局が火葬したと言うのは、拉致被害者では横田めぐみさんと松木薫さんだけである(ただしこの両人であることは捏造なのであるが、誰かが火葬された事実は動かない)。そして今回のジェンキンスさんの記述に火葬がある。管見では北の火葬例は、この3件だけである。他に例をご存知の方はご教示願いたい。

 北が言うのが正しいとして、一体どのように火葬されているのか。野焼きなのか、炉を構築しているのか。燃料は薪なのか石油なのかガスなのか。拾骨はどのようにしているのか。

 めぐみさんは埋葬後に掘り返して火葬したと言い、松木さんは二度火葬したと言う。日本ではあり得ない火葬であるが、このような風習が北にあるのか。

 1200℃で焼いたとされるが、この温度は陶磁器を焼く窯の温度に近い。(ちなみに日本では7~800℃である)こんな高温で焼くというのは、かなりの燃料代がかかる。エネルギー事情の厳しい北で、このようなことがあり得るのだろうか。やはりDNA鑑定できない温度だと主張するために、1200℃という数字を持ち出してきたのではないか、という疑念を持つ。

 北朝鮮の火葬について、何か資料をご存知の方がおられれば、お教え願う次第である。