韓国の「倫理的土台」の崩壊 ― 2006/05/04
駐日本大韓民国特命全権大使 羅鍾一氏は、2005年の民団での新年挨拶で次のように述べた。 http://www.mindan.org/search_view.php?mode=news&id=4181 >私はこのような点から2005年には韓民族の倫理的土台とも言える「孝道精神」を民団が先導して下さることを期待しています。これを通じて伝統倫理の断絶により痛みをともなっている私たち自身が、文化民族として生き続けることはもちろんのこと、日本人の尊敬を集める定住者となるよう願ってやみません。>
ところが肝心の本国で次のような事態が進行していることが報道されている。 http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/08/12/20050812000070.html >老人貧困層が急増 家族の放置・政府の無対策… チェ・ビョンホ保健社会研究院研究委員は、「韓国の老人たちは、自身の老後の備えより子どもの教育費や結婚資金に一生稼いだお金を惜しまずに使ってしまう」とし、「しかし老後、信じていた子どもたちがろくに扶養してくれなかったら、どうすることもできずに貧困に陥っていく運命にある」と話した。>
朝鮮民族の「倫理的土台」である「孝道精神」が、本国で崩壊しつつあることを示している。これをどう見ればいいのか。近頃の若者には困ったものだと世代の違いとして解釈すべきなのか、福祉を考えてこなかった国策の矛盾が表面化したのか。 しかし韓国では民族精神の一つとして自慢してやまなかった「孝」が大きく変化してきていることは確かなようである。朝鮮人の民族性を観察するにおいて、今後の推移を見守る必要のある事態である。