「カタカナ姓」考2006/06/04

 カタカナ姓はこのごろ見られるようになりました。欧米人と結婚された日本人女性が、カタカナ姓に変えるようです。戸籍でもカタカナ姓になります。

 しかし帰化の際にカタカナ姓を選ぶ人は、先日書きましたように寡聞にして知らず、その後調べても出てきませんでした。官報をすべて検索すれば出てくるかも知れませんが。

 欧米人が帰化する際に元の名前に由来して漢字姓とすることは、多いようです。有名人ではサントス→三都主、クロード→蔵人があります。  この例を探してみると、戦前にカナダから帰化したアームストロングさんが、「亜武巣マーガレット」という名前にしたというものがありました。

 韓国ではどうなっているか。実は近年の韓国戸籍上において、外国風の名前の姓の人が急増しています。  韓国人と結婚する外国人女性は、韓国籍を取得して夫の戸籍に入ることができます。この国は夫婦別姓ですから、外国人女性はそのままの名前で韓国籍となります。

 一番多いのはフィリピン、次に日本の名前のままの姓だそうです。  この場合の日本人女性は、統一教会で韓国人男性に嫁いだ場合が非常に多いようです。  なお子供はすべて父親の戸籍に入りますので、外国人風の姓が継承されることはありません。

 ちょっと調べると、いろいろなことを知ります。  これ以外に何か情報をお持ち方がおられれば、ご教示ください。

関東大震災時の「在日朝鮮人虐殺者」の数2006/06/09

> 6000人というのは誰がカウントしたのでしょうか??

 上海独立新聞社(1919年設立された大韓民国臨時政府の機関誌発行機関)が11月に日本で調査したとされるルポに「6661人」が出てきます。これが根拠のようです。ただし、臨時政府自体が世界から認められておらず取り締まり対象の組織ですし、日本へは極秘入国での調査で、震災から3ヶ月も経ってからの調査ですから、信用できるものではありません。

>また当時、被災地域にはどれくらい朝鮮人が居たのでしょうか?

 震災時の東京在住の朝鮮人は概数で9千人とされていますが、別資料では東京府で警察等に保護された朝鮮人は1万2千人とされています。要するに混乱していて、正確な数字は分かりません。

国籍選択と強制退去2006/06/15

>なぜ国籍選択の自由を与えなかったのかというのが私の疑問です。> >当時の政府の判断ミスではないでしょうか。>

 日本はポツダム宣言(朝鮮の独立を含む)を受諾して敗戦となりました。これによって朝鮮人は日本国籍を離脱しました。そして在日朝鮮人の国籍については、戦勝国(具体的にはGHQ)の判断によるものとされました。日本政府の意向を介在させる余地はありませんでした。従って「当時の政府の判断ミス」ではありません。   戦後成立した大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国の両政府とも、在日朝鮮人は我が国の国民であるとしました。また在日朝鮮人自身も、我々は日本人ではないと主張しました。国籍選択を言う人は誰もいませんでした。国籍選択は当時としてはあり得なかったものです。

>今はないようですが昭和40年代まで本人のうっかりミスでもすぐに強制退去させようとした法務当局の対応にも問題はなかったでしょうか。>

 在日でも在留資格のない者(密入国者)は、発覚した時点で強制退去となります。また1965年(昭和40年)までは、在留資格があっても懲役1年以上の者が強制退去とされました。1年以下では強制退去とはなりません。  密入国や懲役1年以上が「うっかりミス」なのか疑問です。

>ちょっと近場にいくのにうっかり外人登録証を所持してなかったために外登法違反で懲役刑、そのまま国外退去というのは理不尽>

 外国人登録証の不携帯は罰金刑です。不携帯で強制退去はあり得ません。  なお当時は朝鮮半島からの密入国者が多く、偽の登録証も多く出回っていました。警察は朝鮮人と見れば外国人登録証の提示を求めていた時代でした。  近場で不携帯で捕まっても、真正の登録証であれば家人に連絡して持ってきてもらえば、問題はありませんでした。

>当時の政府は極論すると在日朝鮮人、中国人を日本から一掃したかったのではないかという疑問です。>

 在日朝鮮人ついては、犯罪率と生活保護率の高さから、政府がかなり厳しい目で見ていたのは事実です。1959年から政府が韓国の反対を押し切って北朝鮮への帰還を進めたのは、その一つでしょう。

在日、二重国籍、パスポート2006/06/18

>噂では韓国は二重国籍を認めたのか1998年以降に生まれた子供は国外人でもパスポートを発行するって聞きましたが我が子は1996年生まれで無理だとの事です>

 この噂はウソです。日韓の二重国籍の在日に、韓国政府はパスポートを発行しません。

>数年経ついまだに子供にアメリカを含む3つのパスポートを持たせる方法を日々考えています。>

 これは日韓米の三重国籍を目指すということですね。国籍が多数あるということは、かえって疑いの目で見られますので、あまり感心できるものではありません。拙論第33題 「二重国籍」考を参考にしてください。

>韓国に行っても国外人と言われ住民登録もなく>

 在日は韓国に居住すると住民登録することができます。ただし日本の永住権を放棄せねばなりませんが、これは手続き上のことです。つまり国内人になることが簡単にできます。

>どちらに言っても外国人です。>

 在日は韓国籍ですので、韓国では外国人ではありません。ただ本国の韓国人が言葉の出来ない在日を差別する傾向は強いようです。

>在日韓国人は何処に帰るのでしょうか?>

 韓国籍である以上は、最終的に帰るべき国は韓国です。

>我々在日韓国人がイラクで誘拐されたらどちらの国が動いてくれるんでしょか?って話を在日の間では聞きますがどちらの国も無視するのでわって話で終わります。答えが出ない事ばかりなのが在日問題です。>

 この答えは明確に出ています。韓国政府がパスポートを発給しているのですから、韓国が動く義務があります。日本が動くことはありません。   なお言葉も出来ず、韓国内に身寄りもいない在日のために、韓国政府がどれほど動く気があるのかは分かりませんが、動いてくれることを信じるしかないでしょう。

二重国籍の在日が両国のパスポートを持つ場合2006/06/23

 5月12日の朝日新聞の読者投稿欄「声」で、ちょっと気になる投稿があった。

「韓国と日本は どうして争う    中学生  杉村 亜× (さいたま市浦和区 12歳)  私は日本人と韓国人のハーフ。ハーフだといろいろ便利なことがある。パスポートを二つ持てて、サッカーや野球の世界大会では両国を応援できる。‥‥‥」

 この少女は日韓の二重国籍で、両国のパスポートを所有しているという。これはあり得ることだろうか。もしあり得るなら、どのような場合なのかである。

 彼女は日本国籍を有しているので、日本に住んでおれば日本のパスポートは当然発給される。

 そして彼女は外国人登録されることはない。だから外国人登録原票記載事項証明書(いわゆる外国人登録済証)を発行されることはない。  韓国政府では、外国に居住する自国民に韓国のパスポートを発給する時はこの証明書の添付が必要とされる。従って日本に居住する彼女は韓国のパスポートを持つことはできない。

 もし彼女が韓国に居住し、そこで住民登録をしていれば、韓国のパスポートを発給を受けることができる。あるいは第三国に居住し、そこで外国人登録をしていれば、パスポートを発給を受けるができる。  つまり彼女が韓国のパスポートを持つには、日本に住んでおれば無理であり、韓国か第三国に住んでおれば可能である。

 以上から次のような経過があったものと推測できる。

 二重国籍の彼女はかつて韓国か第三国に住んでいて、その際に韓国のパスポートを持った。その後、来日して日本に居住し住民登録を行ない、日本のパスポートを持つことになった。

 これ以外にどのような場合が考えられるだろうか。ちょっと思いつかない。

在日の協議離婚2006/06/29

 最近韓国の民法が変わり、協議離婚には家庭法院(家庭裁判所のこと)の確認が必要となった。これは2004年9月からのことで、私はこれをうっかり見過ごしていた。

 在日の婚姻は、相手が日本人なら日本の法律が適用される。しかし在日同士の婚姻ならば、本国法が適用される。在日韓国人なら、韓国の民法である。婚姻して本国(大使館や領事館―民団が代行することもある)に届け出ると、その旨が戸籍に登載される。

 ところが離婚しようとすると、韓国の家庭法院の確認が必要となるので、彼らは韓国に行ってその手続きをしなければならないことになったのである。韓国語を知らない在日は少々困難を伴うので、ここまでしようとする人は少ないだろう。

 しかし一方、日本では在日同士の離婚は届け出れば認めるし、家裁でも在日の離婚を扱うことができる。つまり日本では離婚は成立するのであるが、韓国では法的(戸籍上)には離婚していないことになる。  この場合になると、この人は日本では再婚できるが、韓国では再婚を受け付けないこととなる。この人の親族関係は、法的に非常に複雑なものとなるのである。まずは相続が大変だろう。

 法律が変わったのは1年数ヶ月前と最近なので、この離婚実例は少ないだろう。しかしこの民法改正は、在日社会に微妙な影響を与えるのではないかと考える。

(この投稿には間違いがあります。コメントをお読みください)