労働組合の力関係論2011/12/29

 公務員労働組合の労働運動や政治活動に、風当たりが強くなっています。

 大阪では橋下市長が、市庁舎内にある労働組合事務所が政治活動の場所になっている、或いは交通局職員で組合役員が勤務時間中に政治活動したことが明らかになったことに激怒して、市庁舎から組合事務所を退去することを求めました。

 今はもう無くなったようですが、かつて公務員の労働組合では勤務時間中に組合会議をするのが当たり前だったし、組合の連絡も役所の電話・ファックスを使うのが当たり前でした。

 私は役所に就職する前は民間の労働組合の事務をしたことがあったので、勤務時間中に労働運動するというのにビックリしました。

 勤務時間中に労働運動をするのは違法なのでは?と問うと、労働組合の力が強いからそれが出来るようになった、労使の「力関係」で獲得した成果だ、という答えでした。

 役所の外郭団体では、労働組合会議に行ってきますと上司に堂々と告げて出張する組合員もいました。さすがに出張名目はそういうことではなく、業務だということになっていましたが。

 また組合運動の成果だとして、就業規則に規定されている勤務時間を毎日15分早く退出する職員もいました。

 年一回の組合総会を勤務時間中にすることも認められていたくらいでした。

 これはともかく、これらのことを正当化する論理が「力関係論」でした。別に言えば、組合の力が強いのだから、それ位はいいじゃないか、というものです。それに文句をいうのは、組合の力を知らない不届きな奴、となります。

 「力関係論」は法やルールの上に立った上での論理ならいいのですが、力が強ければ違法も許されるという風潮を作りだしたように思います。

 そしてこの論理は麻薬のような力を持っています。私だけでなく多くの人がこの論理に感化されたものでした。

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