『現代韓国を学ぶ』(6)2012/06/11

皇民化政策とは、大日本帝国が占領地で住民を天皇に忠義をつくす皇民にするためにとった施策。朝鮮では「皇国臣民の誓詞」の斉唱、日本語の使用、神社参拝、創氏改名などを強制し、民族文化の著しい抑圧を行った。(323頁)

 これも朝鮮の歴史によく出てくる決まり文句です。このうちの「日本語の強制」ついて、同じ本の中の「第4章 韓国の歴史」(論者は永島広紀)のなかにある、次のような記述が参考になります。

〉また朝鮮語を禁止し、日本語を強要したことがしばしば批判の対象となるが、朝鮮語文法や綴字法を整理し、学校教育の場でこれを普及させたのは朝鮮総督府であった事実は忘れられている。‥‥日常生活の場で朝鮮語の使用が禁止された事実はなかったし、人口の多数を占める朝鮮民衆にとって日本語のみの生活は、どだい無理なことであった。(100~101頁)

 これは後者の永島氏の論が正しいです。

 朝鮮は日本の植民地でしたから、官公庁で使われる言葉は当然のことながら日本語です。植民地で宗主国の言葉を公用語とするのは、世界史上でも当たり前のことです。例えば、イギリスの植民地であったインドや香港は、英語です。それと同様に、日本の植民地であった朝鮮でも、当然日本語が公用語です。

 そして宗主国の言葉が公用語ということは、普段の日常会話は自分たちの民族の言葉であったということで、日本語の強制はあり得なかったのです。

 「日本語の使用を強制し、民族文化の抑圧を行なった」とする、標記の論は間違いです。