法より情を優先する韓国社会 ― 2012/09/16
前回のブロク(9月11日)で、「韓国では法律よりも人間の情を優先するという考え方となる」と論じました。
これの実例としては、最近のオリンピックサッカーに日韓戦で、朴鍾佑選手が領土主張のプラカードを持って回った事件を挙げることができます。オリンピック憲章違反であることは明白なのですが、韓国社会ではマスコミも含めて、憲章違反を咎める意見はほとんど出てきませんでした。「よくやった!」「当然の主張をして何故悪い」といった反応でした。
日本でしたら、気持ちは分かるが憲章に違反してはならない、だからそれなりの罰は仕方ない、という反応になるだろうと思うのですが、ここに法・ルールに対して日本と韓国の考え方の違いが表れているように思います。
法より情を優先する韓国社会の実例として、もう一つ「前官礼遇」を挙げねばなりません。特に「平等」「正義」等を標榜する司法界における「前官礼遇」は、もうビックリするしかありません。最近話題になった韓国映画「トガニ」は、障害者施設で実際に起きた強姦・強制わいせつ事件を扱っていますが、この映画のもう一つのテーマが「前官礼遇」なのです。
裁判官が職を辞して弁護士を開業するのは韓国でもよくあることです。しかし韓国では、元裁判官が弁護士開業した直後に引き受ける裁判では、担当裁判官は先輩の弁護士を尊重して、そっちに有利なように判決を下すのです。有利といっても半端じゃなく、教え子少女強姦という重犯罪でも、懲役数ヶ月で執行猶予付きという超寛大な処罰(「トガニ」による)にしてしまうぐらいです。
つまり裁判官は、法や正義よりも、先輩・後輩の情を優先するのです。これが韓国司法界の「前官礼遇」です。従って裁判官を辞めて弁護士になった人は、それこそ超高値で弁護依頼が来るそうです。ほぼ100%近く勝訴できるからです。ただし、この効き目は1年までだそうですが。
こんな弁護士と対決しなければならない相手側の弁護士は、最初から諦めムードなり、その次の控訴審に力を入れるとのことです。また韓国でも一部ではこの悪習を改めようとする動きはあるようですが、なかなか難しいようです。
1980年代でしたか、韓国好きの方が「しゃくし定規に法律とかルールとか言う日本よりも、情によって柔軟に対応してくれる韓国の方がよっぽど人間らしい」と書いたことがありました。
法やルールを無視して優遇してくれた韓国人の情に感動したのでしょうけど、いかがなものなんでしょうかねえ。