朝鮮語は容認されていた―愛国班 (2)2017/11/14

 これは水野直樹ほか編著『図録 植民地朝鮮に生きる』(岩波書店 2012年9月)の83頁に掲載されている、愛国班のチラシです。 全文ハングルで、漢字が全くありません。

 この本では日本語訳が添付してくれているので、内容はお分かりになるでしょう。 「⑧特に来年に徴兵制度に‥‥」とあるところから、このチラシが昭和18年(1943)であることが判明します。

 当時のハングルで、今韓国で使われているハングルとは少し違います。 分かち書きしていないし、個々の単語の綴りも違いがあります。今の韓国語を勉強している人には、ちょっと戸惑うかも知れませんねえ。

 植民地時代は朝鮮語が禁止されていたという俗説は、否定されねばなりません。

 公用語が日本語ですから、公用語を使う場所では日本語になり、朝鮮語を使わないということに過ぎません。 公用語を使う場所とは、書き言葉では公文書や契約など、話し言葉では学校や裁判、公的会議などです。 従ってそれ以外の日常会話で朝鮮語を使うことは、自由でした。

【拙稿参照】

 朝鮮語は容認されていた―愛国班  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/11/10/8724405

 日本統治下朝鮮における朝鮮語放送  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/11/06/8721782

 『現代韓国を学ぶ』(6)       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/06/11/6476173

 『図録 植民地朝鮮に生きる』   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/11/02/6621470

 朝鮮語を勉強していた大正天皇  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/09/24/6111974

 「朝鮮語は禁止された」というビックリ投稿  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/01/15/8324407

 学校で朝鮮語を禁止した理由  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/01/20/8327730

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