朴槿恵の謝罪―親の罪は子の罪か?2012/09/25

 韓国の大統領候補で、元大統領の娘でもある朴槿恵氏が、父の政権下の弾圧について謝罪しました。

[ソウル 24日 ロイター] 12月の韓国大統領選の与党セヌリ党候補、朴槿恵(パク・クンヘ)氏が24日、父親の故・朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の政権下で弾圧された被害者らに謝罪した。     ソウルの党本部で記者会見を行った朴氏は、「軍事クーデターや維新憲法、人民革命党事件は、憲法の価値を損ね、韓国の政治発展を遅らせた」と発言。「(政権によって)苦しめられた方々や家族に改めて心から謝罪する」と述べた。 今回の謝罪会見は、選挙戦で歴史的障害を取り除き、支持率の回復を目指す狙いがあったとみられる。       朴元大統領は、1961年の軍事クーデターで政権を掌握し、72年には任期延長を認める憲法改正を強行。人民革命党事件では、反共法に違反したなどとして、8人に死刑が執行された。18年にわたった朴正煕政権では、高度経済成長が成し遂げられた一方、人権弾圧も繰り返された。       朴氏はクーデターは不可避で最善な選択だったとした上で、「(子どもが親の)過ちを指摘するのは容易ではないと思うが、大統領候補になった以上は客観的になり、国民と思いを共有すべきだ」と語った。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88O01520120925

 かつての時代の国策が誤りであったなら、謝罪すべきはその国家を引き継いだ大統領でしょう。しかし朴槿恵氏はいまだ大統領候補にしかすぎません。とするとこの謝罪は、国策の誤りを犯した父親の子供であるが故に行なったということになります。

 韓国では、特に民主化運動=左派の人が父親の責任を子供の朴槿恵氏に向けてきました。これについて、韓国ではたしなめる人はいないようですので、韓国では受け入れられやすい考え方と思われます。だからこそ朴槿恵氏は謝罪したのでしょう。

 「親の因果が子に報い」なのですが、この性向は何も韓国だけでなく、日本の革新・左翼の人にも見られるものです。この場合は、日本の軍国主義・侵略に加担した者の罪は子孫も受け継ぐという思想です。

 これについては、かつて拙稿で論じたことがあります。 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daijuuhachidai

 別の喩えで言うと、元小作人の孫にあたる子供が階級闘争・農民運動の歴史を学んで、地主の孫にあたる同級生に向かって 「お前のじいちゃんは僕のおじいちゃんを苛めた。あの農地解放で済んだと思うなよ」 という、ウソかマコトか分かりませんが、そんな話があったことを思い出します。    結局はこのようなレベルのことだと思います。

コメント

_ 在特会 ― 2012/09/27 18:15

昭和55年ですから、30年ほど前ですが、

大阪の地方都市の宅地開発で持ち家を購入したんですが、
地域の町内会は農地解放で小作だった人たちの町内会で、
よそ者は入れてくれませんでした。

宅地を買ったものがよそ者だから町内会に入れないというのも、どうかなと思いましたが、

開放前の旧地主さんも町内会には絶対入れなかったそうです。

30年経って、さらに新築が増えましたが、どうなったのやら、そんな話を思い出しました。

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