再録・主催者発表3倍の法則 ― 2015/09/06
産経新聞で、この前の8月30日にあった安保法制反対デモの参加人数について、花田紀凱が主催者発表の数の「インチキ」について書いています。 http://www.sankei.com/premium/news/150906/prm1509060020-n1.html
これについては7年前に拙論で論じたことがありますので、再録します。 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/03/21/2803511
この頃は知りませんが、1970年代に「主催者発表の数字は警察発表の数字の3倍」の法則があると言われていました。 何かの集会で、主催者が発表する参加人数は、警察が発表する参加人数のほぼ3倍となる傾向が強い、という意味です。 それで気になって、そのような集会の新聞記事を見るたびに数字を見比べていたのですが、「法則」がよく当たっているのに成程と感心した記憶があります。 昨年9月に沖縄で行われた教科書検定問題の集会で、参加者が主催者発表で「11万人」、警察情報では「4万人」とされていましたので、この「法則」は21世紀になっても適合するものと思われます。 ところで、どちらが正しいかですが、一般的に言って主催者発表は自分たちの成果をアピールするために人数を多めに出すのが普通です。 一方の警察発表は、参加者人数によって警備する警官の数を決めねばなりませんし、議会等で人数の根拠を質問される可能性がありますから、実態からかけ離れた数字を出すことはありません。 従って警察発表の数字が大体正しいと見ていいものです。とすると、主催者発表は水増し率3倍ということになるわけです。 これ以上数字を大きくすると嘘臭さが強くなるし、少ない数字だと元気が出ないし‥‥3倍が適当なところということでしょう。 マスコミが主催者発表数字をそのまま報道することは、水増し記事となりますので感心できるものではありません
今回の安保法制反対デモは、主催者発表12万、警察発表3万3千だそうですから、3.6倍です。 2割の違いですから、まあ誤差の範囲に入るでしょう。 主催者発表3倍の法則はここでも通じたというわけです。
これは「インチキ」というものではなく、それが当たり前です。 だから主催者発表数を信じる方がおかしいのであり、この数字をそのまま記事にするマスコミが異常なのです。
【関連拙稿】
韓国でも主催者発表3倍の法則 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/07/02/5939443
コメント
_ (未記入) ― 2015/09/07 18:57
_ かい ― 2015/09/14 13:26
わたしも、主催者発表と警察発表の乖離を不思議に思っていたのだが、
呉氏によると、たとえば、メーデーなどの主催者発表は、各単産からの
参加届人数を足し合わせるとのこと、一方、警察は、歩道橋から、
計数器を使って、数えているとのこと、どちらが正確かは、明白。
それで、疑問が氷解した覚えがある。
現在は、空撮などで、実数に近い数が把握できるのだから、
メディアは、主催者発表ではなく、より正確な数字を書くべきだ。
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10万人とか20万人参加なんて軽く言うが、これだけの人数を動員し安全確保の計画を立て実施するのがいかに大変なことかわからなくなっているのでは。
SIELDsとか原発反対デモ関係者の言い分に、気楽に参加できるように皆さんに声をかけたら、これだけ集まってくれました、なんてあるがふざけるのもいい加減にして欲しい。
気楽(無計画)にやって10万人も集まったら、途方に暮れる。将棋倒し等の事故がおこったら誰が責任をとるのか。安全確保のための予算も軽く1億円くらいかかる。予算の手当もなく10万人や20万人も集めたら犯罪行為です。群衆の怖さを知っているとは思えない。1億円程度の予算を準備していれば非常に計画的で、気楽に声をかけて済む話ではない。
私も組合でメーデー参加者の動員をしたことがあるが、デモの趣旨の賛否に関わらず、政治的に熱心な人には絶対に声をかけません。何をしでかすかわからないからです。気楽に参加してくれる人はノンポリですが、気楽すぎるので日当を払うことで無事故進行の責任感を持ってもらうこともあります。
熱心な人たちは独自に活動するようですが、組合にも「武闘派」がいて警察と密接に連携をとって、とんでもない計画は事前に潰すようです。
500人くらい(これでも怖い)で200倍水増しするほうがまだ良心的です。