北朝鮮を後押しする中国 ― 2016/02/08
北朝鮮が先月の「水爆」と称する核実験に引き続き、昨日「人工衛星」と称するミサイルを発射しました。 これは国際社会の安全を脅かすものとして、大きな非難を浴びています。当然、北朝鮮への制裁が議論されます。
ところが中国は話し合いによる解決を唱え、制裁には反対しています。北朝鮮は経済的に中国に頼っており、中国が決意すれば制裁は非常に効果的なのですが、それをしようとしません。
つまり口先では「朝鮮半島の非核化」を言いながら、実際には北朝鮮の核開発にを黙認しているのです。北の核開発に必要な部品や技術は中国経由で入っていると思われますから、これを止めようとしない中国は、むしろ北の核開発を後押ししていると言っていいでしょう。
これについては、3年前の拙論で次のように記しました。
つまり中国にとって「朝鮮半島の非核化」というのは北朝鮮の核問題とイコールではないということです。そしてこれが韓中国交樹立から今までの20年以上にわたる一貫した態度だということです。 だったら中国はどういう意味で「朝鮮半島の非核化」を言っているのでしょうか。 それは韓国の核問題、つまり韓国がアメリカの核の傘の下にあることも問題にすべきだと言っているのです。 つまり中国は北の核兵器だけでなく、韓国がアメリカと軍事同盟関係にあること、この二つを「朝鮮半島の非核化問題」としているのです。 中国の狙いは北の核兵器と韓米軍事同盟の同時解消なのです
http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/07/04/7379560
中国の最終的な目的は南北含めた朝鮮半島を自分の影響下に置くことですから、それの一番障害になる米軍を韓国から撤退させることです。この目的を達するためには、北朝鮮の核開発は中国にとって都合がいいのです。
中国が唱える「朝鮮半島の非核化」は、北朝鮮の核開発の中止と同時に韓米同盟の解消を意味しているのです。 従って韓国からの米軍撤退がない限り、北朝鮮の核開発を容認するという中国の腹の中を知る必要があります。
中国にとって北朝鮮は、朝鮮半島全体を属国化するという目標実現にうまく利用できる存在なのです。
【拙稿参照】
北朝鮮を甘く見るな!(1) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/07/23/7395972
北朝鮮を甘く見るな!(2) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/07/28/7400055
北朝鮮を甘く見るな!(3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/08/02/7404064
北朝鮮の宋日昊が日本を脅迫 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/10/10/7455119
コメント
_ mahlergstav ― 2016/02/13 21:44
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
証券取引所も設置できない国が、核兵器なんか持っても無意味。
南北戦争で、シャーマンの「海への進軍」という戦術があった。アトランタを含め、南部の経済基盤を徹底的に破壊した。風とともに去りぬで有名です。でも、これってあまり意味はなく、南部の無用な反感をかった。今でも影響が残っているようです。
北軍は、シカゴ先物市場の先渡契約を利用して、全米の穀物をシカゴに集めて、北軍の軍糧、馬糧を確保した。海への進軍をしなくても、南部は干し上がってしまったのです。
先物業者は、それに乗じて値崩れを起こし大儲けした。北軍は相場より割高で買わされて、大損したが頓着しなかった。軍糧・馬糧を確保するのが目的で、転売益を出すのが目的ではない。価格の暴落は、穀物を確実に確保できるから、勿怪の幸い。暴騰したら、安くで買えるが物自体が無くて、定量を確保できない方が深刻。
暴利を貪った先物業者は、お咎めを覚悟していたら、勲章をもらったそうです。
日本では、木下藤吉郎が、鳥取攻めで似たようなことをしています。日本では16世紀にやっていたことを、北朝鮮は21世紀になっても理解できない。日本より600年以上も遅れている。こんな国が核兵器なんて片腹痛い。