在日の法的地位問題は解決済み (再録)2017/03/02

 特別永住制度について、一般の外国人と違った処遇だから問題がある、という主張が多いですが、これは間違いです。 特別永住制度は、それまでの在日の在留資格(処遇)に大きな問題があったらから、それを解決するために作られたものです。     従って特別永住制度には問題点はありません。 

 以前に論じた拙論を再録します。

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在日の法的な問題は、1991年の特別永住制度によって解決しました。  それでも一部の在日活動家らが、まだ差別があるとして、さらなる要求を繰り広げ、日本側の一部もこれを煽ってきました。これが不適切・不当なものであることは、拙論で主張してきました。

 ところが今度は、日本側で特別永住制度の廃止あるいは処遇の切り下げを要求する人が現れてきました。その理由は、特別永住制度そのものが「特権」であるからとされています。なかには「貴族制」とまで言う人がいます。またこの制度によって在日が外国人意識を持たなくなっている、あるいは日本人との距離感がなくなっているから、と言う人もいます。

 特別永住制度は外国人のなかで最も恵まれた在留資格ですが、それはそれまで法律上未解決のまま経過してきた問題を全面的に解決した制度です。今さらこれを廃止や切り下げなどと問題化することは、余りにも非現実的というか全く意味のないことです。

 また在日がどのような意識を持とうとも、法律は個々人の意識にまで立ち入ってはならないのであって、在日の意識を変えさせるために法律を変えようというのは暴論でしかありません。立ち入ることができるのは、法とルールを守るという意識を持たない行動です。

 在日の法的地位問題は解決済みです。

 これからは来日外国人の問題が重要です。彼らの多くが日本に定着してきています。彼らの法的処遇を安定させていくのか、それとも不安定なままにしておくのか。

 もし日本がこれからもどんどん外国人を入れて、いわば移民立国になろうとするなら、彼らを安定した地位につける必要があります。その場合、永住制度に彼らを加えるのか、それとも日本国籍を与えるのか、といった問題が生じることになるでしょう。

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/09/08/1781500

特別永住制度の変更は非現実的 (再録)2017/03/03

 特別永住制度についての拙論の再録です。

 特別永住制度を問題化してこれに反対する意見は、これが韓国・朝鮮に対するレイシズムであるとして、初めて理解できるものです。

 レイシストは特定民族を「殺せ!」「死ね!」と公道で呼号する人と同質ですから、犯罪性向を帯びています。 近寄るべきものでは、ありません。

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 特別永住制度は、1952年以来複雑化しつつ続いてきた在日の法定地位の問題を解決したものです。これを変更(廃止や他資格並みに処遇を引き下げること)することは、余りにも非現実的です。こんな非現実的なことを議論しても、意味がありません。

 特別永住制度は、21世紀の半ばには外国人としての在日は消滅するだろうという見通しのもとに成立しました。従ってこの制度が問題化する可能性があるのは、この見通しが間違っていた場合のことになります。つまり数十年先の話です。

 私自身は、完全な消滅はありえないが、もはや問題化するほどの数ではなくなっているだろうと考えています。

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/09/01/1762857

米国籍などの特別永住者 (再録)2017/03/08

 特別永住者は、その歴史的経過から本来は朝鮮・韓国・台湾籍ですが、実際には現在アメリカやオーストラリアなどの国籍を有している人もいます。

 法務省の在留外国人統計(2016年6月)によれば、特別永住者総数344,322人中、朝鮮・韓国・台湾・中国籍は342,713人で、米国(780人)、やオーストラリア(121人)、カナダ(112人)、フランス(79人)、英国(79人)などその他の国籍者は1,609人です。 数としては多くありませんが、無視できるものではありません。

 こんな事実すら知らないで、特別永住制度を論じる人がいるのにはビックリしますね。

 これについて10年前に解説したことがありますので、再録します。

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 特別永住は、日本の旧植民地出身者で引き続き日本に在住してきた人が有する法的地位で、従って国籍は「韓国」「朝鮮」「中国(台湾)」となります。しかし現在はそれだけでなく、「米国」「カナダ」「英国」等々の国籍を有するものが少なからずいます。

 特別永住者は日本に帰化すると当然ながら特別永住資格は無くなります。しかし第三国に帰化(国籍変更)した場合、特別永住資格は消滅しません。法にはそういう規定がないからです。

 従って「米国」「英国」「カナダ」等々の国籍を有する特別永住者が現れることになります。

 特別永住者の外国人登録国籍欄に記載される国・地域は、上記のように元来は「朝鮮」「韓国」「中国(台湾)」ですが、今ではこのように様々な国籍があります。

 数としては千人程のようですが、無視できるものではありません。

http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/09/15/1798285

朴大統領、罷免2017/03/11

 昨日、朴大統領の弾劾が成立し、罷免されました。 国会の弾劾決議から、3ヶ月で出された決定です。

 原告・被告間で、事実関係が対立しており、しかも17項目くらいありましたら、審理にはかなり時間がかかるだろうと予想していたのですが、   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/12/09/8271172  意外と短時間でした。 私の予想は大外れでした。

 憲法に沿った手続きでの罷免ですから、憲法秩序は守られたことになります。 朴大統領派が罷免判決を不服として暴れているのは、ちょっと醜い姿ですが、彼らの怒りがこれからどこへ向かうのか?

 60日後の大統領選挙は親北派が圧倒的に有利ですから、彼らと厳しく対立する朴派は選挙を妨害する活動を始めるかも知れませんねえ。

 私の予想では、韓国国民内の対立は尖鋭化するだろう、しかしこの対立を解消して国民が一つになることができるのは「反日」(慰安婦や竹島など)だけであり、次期政権は反日を強く打ち出すだろう、というものです。

新大統領は「反日」を緩めるかも2017/03/15

 韓国の今後について、拙論で

「韓国国民内の対立は尖鋭化するだろう、しかしこの対立を解消して国民が一つになることができるのは「反日」(慰安婦や竹島など)だけであり、次期政権は反日を強く打ち出すだろう」

 と予測しましたが、朴大統領派は中高年が多く、若者が少ないですねえ。 これでは、この勢いは先細りするでしょう。 とすると、韓国内の対立は尖鋭化することなく、次期の進歩=左翼系政権は安定した運営が出来ることになると思われます。

 安定していれば、「反日」を実践する必要はなくなるでしょう。

 大統領有力候補の文在寅さんが進歩=左翼だから、より厳しい「反日」政策を行なうと予測する向きが多いです。   しかし最悪の日韓関係と言われた時代は、李明博から朴槿恵にかけての保守系政権の時でした。 金大中・慮武鉉の進歩=左翼政権時代の日韓関係はそれほどでもありませんでした。

 おそらく文在寅さんが大統領になるでしょうが、慮武鉉政権時代の対日本政策を踏襲して、保守政権時代のような激しい「反日」政策をとらないだろうと思います。

 そして新政権が、何かでつまずいて不安定になった時に、厳しい「反日」政策をとるだろうと予測します。

戦争での強姦事件被害資料2017/03/18

 戦争においては古今東西、強姦事件が頻発します。 日本では何故かしら、日本軍による強姦事件ばかりがクローズアップされますが、日本女性もまた多数が外国軍隊からの被害者となっています。 こちらの方の関心が薄いのが残念です。

 ここに掲げた資料は、日本への引き揚げ船で配られたもので、主に満州でソ連軍による強姦の被害を示すものです。 

 満州に移住していた日本人婦女子は終戦時にいち早く逃げた日本帝国軍(関東軍)に置き去りにされて、ソ連軍の暴行にさらされました。 やっとのことで日本に帰国した時は、もう堕胎が不可能なほどにお腹が大きくなっている場合が多かったし、実際に赤ちゃん(混血児)を産んだ場合もありました。 妊娠した女性が引き揚げ船から投身したことも多かったといいます。

 こういった悲惨な事実は、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。

終戦時、朝鮮での強姦事件2017/03/22

 終戦=朝鮮解放時、植民地だった朝鮮でも強姦事件が多数発生しています。 北朝鮮ではソ連軍が進駐しましたからソ連軍人による強姦事件、南朝鮮では米軍が進駐しましたから米軍人による強姦事件です。またこれ以外に、朝鮮人による強姦事件も多数あったようです。

 資料は京城で、終戦の半年後の昭和21年1月のものですから、すでに米軍政がひかれていた時期です。ですから加害者はおそらく米軍人、ひょっとしたら朝鮮人ということになります。

 日本女性の強姦被害は、もっと知られていいと思います。特に 戦争と性の問題に取り組んでいる人が、これにあまり関心を向けないのは、いかがなものかと思います。

 資料は手書きで旧文体の「候文」ですから、読み難い方もおられるでしょう。 下記に書き出してみました。 「候」は「そうろう」と読みます。「です」「ます」の意味です。

謹啓 前略

 京城 岸の寮収容所 患者○○○○ は暴行による妊娠三ヶ月と診定 つかまつり候、

 しかるところ、当地 罹災民病院の器械類はほとんど没収せられ手術不可能の状態にこれあり候、

 よって御面倒ながら貴地 九大産婦人科に連絡の上、しかるべく 御処置願い上げ候。

  一月二十六日  産婦人科医    京極佐市

罹災民病院 御中

創氏改名の誤解―「世界史の窓」2017/03/26

 創氏改名については、それまで 「朝鮮人から固有姓を奪い日本式の名前に強制的に変えさせた。これを拒否しようとしたものは非国民とされ、様々嫌がらせを受け、結局は日本名に会えた」 というような誤解・間違いを指摘すべく、16年前に「創氏改名とは何か」を拙HPで発表しました。 http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daijuunidai

 これがきっかけになったかどうか分かりません(そうであれば嬉しいです)が、創氏改名について誤解はかなり減ってきたように思えます。 それでも間違い・誤解はまだまだ残っています。

 創氏改名について解説した「世界史の窓」というHPがありました。 http://www.y-history.net/appendix/wh1505-067.html 高校の授業用のテキストに使うそうですが、間違い・誤解があるのは困ったものです。 明確な間違いから指摘していきたいと思います。

その内容は(1)2月11日から6ヶ月以内に氏を設定し届け出ることを義務とする‥‥つまり、氏の設定は義務であり届け出なければならず、改名は任意で許可を受ける、というものであった。

 ここでは創氏の届け出が義務だと書かれていますが、正解は、氏の設定を届け出るかどうかは任意であって義務ではなかった、です。  届け出すれば「設定創氏」、届け出しなければ「法定創氏」で、どちらも有効です。

朝鮮では個人(男性だけだが)は宗族の原簿である「族譜」に記載されるが、「戸籍」は無かったので、創氏と同時に戸籍制度が導入されたのだった。

 これにはビックリ仰天。 創氏改名は日韓併合から30年経った1940年に施行されますが、それまで「戸籍」がなかったとは‥‥!?。 正解は、日韓併合前の大韓帝国時代に「隆熙戸籍」が編成され、日韓併合後は朝鮮総督府がこれを引き継いだ「民籍法」、さらに1923年に日本の戸籍法に準じて「朝鮮戸籍令」が公布された、です。 「創氏と同時に戸籍制度が導入された」とは、本当にビックリです。

創氏改名と並行して、朝鮮では徴兵制が施行された

 これにもビックリ仰天。 創氏改名の施行は1940年、朝鮮での徴兵制の施行は1944年です。 並行していません。

【拙論参照】

創氏改名とは何か (00年4月1日) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daijuunidai

創氏改名の残滓 (01年6月1日) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daisanjuudai

創氏改名の手続き (04年10月1日) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dainanajuudai

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない2017/03/28

解放出版社『朝鮮侵略と強制連行』20頁

 創氏改名を、日本風の名前を強制することだとする誤解がまだ多いですね。

 ここに掲げた死体検案書は、解放出版社『朝鮮侵略と強制連行ー日本は朝鮮で何をしたか』(1992年8月)の20頁にある写真資料です。

 氏名欄には「閔福仁」、作成年月日には「昭和18年10月24日」で、創氏改名の施行後3年経った日付です。 日本風の名前に変えることなく、先祖伝来の民族名を維持している例です。

【拙論参照】

創氏改名の誤解―「世界史の窓」  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/26/8421515

朝鮮名での設定創氏が可能な場合 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/02/12/1178596

宮田節子の創氏改名論    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/11/10/7487557

民族名で応召した朝鮮人    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/11/14/7491817

民族名での人探し三行広告    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/09/24/7807103

創氏改名とは何か (00年4月1日) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daijuunidai

創氏改名の残滓 (01年6月1日) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daisanjuudai

創氏改名の手続き (04年10月1日) http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dainanajuudai

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (2)2017/03/30

 この写真資料は、水野直樹ほか編著『図録 植民地朝鮮に生きるー韓国・民族問題研究所所蔵資料から』(岩波書店 2012年9月)の120頁に掲載されているものです。

 愛国婦人会は明治34年(1901)に設立された、上流階層の婦人組織です。 この写真のキャプションでは「李容淑」さんの有功賞の受賞時期を「1942年以降」としています。 この時期が正しいなら、創氏改名後2年以上経っていることになります。

 創氏改名でも民族名を維持し、愛国婦人会という軍国主義団体に大きな貢献をした方ですね。

【拙稿参照】

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/28/8423913