ラムザイヤー教授の部落論(6)―エセ同和行為 ― 2022/01/20
同和対策事業により、資金が部落民が関わる犯罪集団に移り始めた時、一部の集団は「差別」糾弾と恐喝とを結びつけた。 企業は彼らを追い払うため、お金を支払った。 この恐喝行為の政治的に正しい用語は「えせ同和行為」である。 ランキン(2012)は、「ヤクザ自身が部落民の権利団体を装い、企業に補償金を支払うよう圧力をかけることによって状況を悪用している」と書いている。
この現象は1980年代に始まったと言われている。フリージャーナリストの宮崎学は、彼自身部落民であり暴力団組長の息子だった。彼は次の通り報告している。
この時期(1980年代半ば)は、被差別部落民による恐喝がピークに達した時期でした。…この時期に、暴力団にもたらされる収益の規模が変化しました。以前、暴力団は覚せい剤を売るようなことをしていました。しかし、これらの伝統的な活動と比較して、暴力団が被差別部落民による恐喝を通じて得ることができる稼ぎがはるかに多かったのです。
法務省が1989年にこの問題を調査したときまでに、恐喝は蔓延していた。 同省は5,906社に連絡を取り、そのうち4,097社が回答した。 回答者の17.5%は、1988年中に少なくとも1つの同和団体の恐喝の標的にされたと報告した。 通常、同和団体の構成員は会社の従業員に電話口で叫び、部落民の問題を理解していないと非難した。 時には彼らは政治家との関係を自慢し、時には規制当局に会社を調査させると脅迫した。
同和団体は、たった1回の電話で会社を許すことはしなかった。 対象となる企業に平均3.2回、大阪法務局管内では8.8回アプローチした。 ほとんどの企業から、彼らは対価―現金、高額な出版物の購読、借り入れを要求した。 建設会社に契約金の削減を要求したこともあった。 攻撃を受けた企業の3分の1は、少なくとも一部の要求に応じた。 中小企業は屈服する可能性が最も高かった。 1,000人以上の従業員を抱える企業では、25.0%が少なくとも1つの要求に応えた。 従業員が50人未満の企業では、38.8%が要求に応じた。
エセ同和行為というのは、同和という人権問題に絡めて行われる恐喝です。 ですから、その恐喝を拒否したり対抗したりすると、部落差別として糾弾される可能性があります。 しかし警察は民事だからといって介入しないし、マスコミも同和はタブーですから報道せず、人権を担当する法務局は黙るだけです。 結局、企業は糾弾を恐れて、金で解決できるのならといってお金を包むことになり、恐喝は成功することになります。
私が1980年代に土木工事会社員から実例を聞きました。 同和地区近くの公共工事で、 「解放同盟企業対策部」という名刺を持った人がやってきて「工事するのに元請けは解同に挨拶に来たが、下請けは挨拶に来なかった。挨拶料は50万円だが、来なかったのでその倍を出せ」と要求してきた、元請けは後でこれを聞いて、何故下請けまで挨拶料が要るのか、出さなくていいと言ったが、下請けは後難を恐れて出した、ということでした。 暴対法のない時代でしたから、こんなことがまかり通っていたのです。
「部落解放」「人権」をちらつかせながら恐喝するのが「エセ同和行為」だと言って間違いないと思います。 彼らがどのような物の言い方をするのか、最近実際に録音されたものが公表されています。 https://www.youtube.com/watch?v=1nhoBi75Sb0 このような人たちに取り囲まれて脅されるのですから、担当者はそれこそ縮み上がります。 彼らは事件にならない程度に、つまり絶対に手を出さずに、態度と口先だけで脅してきます。 そこはヤクザの手法を学んだのではないかと思います。
ある工事現場の監督さんから話を聞いたことがあります。 監督さんなのに、ヘルメットに線が入っておらず、一般作業員と同じヘルメットでした。 監督さん曰く、「もし同和とかヤヤこしい人間が現場に入ってきたら、そいつらは線の入ったヘルメットを被った人をめがけて捕まえて取り囲み、要求してくるんです。 ですから、私は線のないヘルメットを被るようにしています。 もしそんな人間が入ってきたと思ったら、すぐにそこらへんにあるスコップを持って掘削作業をして、ただの土木作業員という風にするんですよ。」と言っていましたねえ。
その存在だけで恐しくなる人たちに取り囲まれ、無理を要求された時の恐怖‥‥。 これは体験した人でなければ分からないでしょう。
【ラムザイヤー教授論文】
https://jigensha.info/2021/10/16/ramseyer2018-1/
https://jigensha.info/2021/10/23/ramseyer2018-2/