ウトロと韓国民団を放火した人物―有本匠吾(1)2022/04/25

 2021年に京都のウトロ地区の住宅と愛知の韓国民団建物を放火したとして、「有本匠吾」なる若者が逮捕され、ちょっとしたニュースになりました。 事件の概要はインターネットで検索すれば分かりますが、彼が一体どんな人物なのかに関心がありました。 その情報を待っていたところ、 去る4月10日付けの共同通信に、記者が有本に手紙を出したところ、その返事が来たと報道されました。 返事の全文があればよかったのですが、それは公表されていません。 そこで報道のうち彼に関係する部分を引用し、考察します。   https://news.yahoo.co.jp/articles/d17482d71f1526cd88adc552bdfdc335cd148c2c

「韓国が嫌いだった。日本人に注目してほしかった」。朝鮮半島出身者の子孫が暮らす京都府宇治市の「ウトロ地区」の住宅に火を付けたとして、非現住建造物等放火の罪で起訴された男(22)は、そんな供述をしたという。

有本被告はなぜこのような事件を起こしたのか。記者は勾留先の京都拘置所に手紙を出し、意図を尋ねた。数日後、返信が届いた。「拝復」で始まり「敬具」で終わる便箋5枚。手書きでびっしりと文字を並べ、面会での取材は断るとしつつも、自分の考えを説明していた。以下、誤字と思われる部分などを適宜直した上で引用する。

 以上は、記者が有本匠吾なる人物と関わるきっかけとなった内容です。 彼の供述「日本人に注目してほしかった」から推測すると、自分を認めてもらいたいという“承認欲求”心理なのでしょうかねえ。 それとも“嫌韓の英雄”になりたかったのでしょうかねえ。

被告は手紙の中で、ウトロと愛知での事件への関与を認め、動機をつづっていた。背景として挙げたのは、新型コロナウイルス感染症の影響と、それに対する行政の対応だ。コロナによる就職難と、国による支援制度の不十分さが影響しているのだという。「最低保障であるはずの生活保護すら役所に断られる方が大勢いる中で、日本国籍を持たない在日外国人を変わらず援助し続ける様態に、どれほどの方が不快感を抱いていたことか、当時のネットの声の数々を見た限りでも想像を絶した」と持論を展開していた。

 有本は在日に生活保護がなされることに対し、「どれほどの方が不快感を抱いたことか」。 そして彼はネット情報だけを見て、「想像を絶した」と言っています。 ここから彼は、在日が生活保護を受給する経緯や法的根拠といった基礎的初歩的知識が全くなく、また生活保護を受給している在日の人と知り合ったことも全くないという実態が判明します。

 彼は日常生活で在日と接することがなく、また在日について基本となる知識がないズブの素人の日本人です。 そして接する情報は何かつけて「外国人へ生活保護反対!」を叫ぶネットの匿名投稿だけのようです。 嫌韓派とかネットウヨとか言われる人は、こういうタイプが多いですねえ。 こんなのは日本国民でもごく少数なのですが、ネット情報ばかりに頼っていると「想像を絶する」ほどの多数に見えるということですね。

そして放火に至った心情が述べられる。「多くの人が抱いていたであろう内なる不満や不快を、目に見える対象にぶつけやすい状況にすべく、日本人の大半が嫌悪もしくは迷惑視する韓国人の関連施設に対して事件を、放火を発生させた」

 「多くの人が抱いていたであろう内なる不満や不快」「日本人の大半が嫌悪もしくは迷惑視する」。 上述したように嫌韓派・ネットウヨはごく少数なのですが、有本には「多くの人」「日本人の大半」となってしまい、今度は自分が彼らに成り代わって成敗してやるといわんばかりに、「放火」事件を引き起こしたというわけですねえ。 こんな罪を犯しても、「多くの人」「日本人の大半」は自分を理解し応援してくれると思ったのでしょうか。 (続く)