尹東柱のハングル詩作は容認されていた ― 2017/07/11
これは尹東柱が獄中にあった時に、当時の新聞に掲載されたハングル詩。作者は徐廷柱。
尹東柱に関する報道には間違いが多いですねえ。 ハングルで詩を書いたことで逮捕されたというような虚偽が横行しています。
韓国の聯合ニュースが次のような記事を書いています。(7月10日付け) https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170710-00000050-yonh-asent
【全州聯合ニュース】韓国で国民的な人気を誇る詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ、1917~45)の生誕100年を記念し、南西部・全州市の市立合唱団が14日に音楽劇「空と風と星と詩、尹東柱」を披露する。 公演は午後7時半から同市内の施設「韓国ソリ(声)文化の殿堂」で行われる。 「空と風と星と詩」は尹東柱の詩集の名前。作曲家イ・ヨンジュが尹東柱の詩に曲を付けて作った音楽劇には市立合唱団のほか、市立劇団、市立交響楽団も参加する。 尹東柱は1942年に日本に渡り、立教大と同志社大で学んだ。ハングルで詩をつくったとして治安維持法違反の疑いで逮捕され、45年2月に福岡刑務所で獄死した。
この最後の部分の「ハングルで詩をつくったとして治安維持法違反の疑いで逮捕され」が間違いです。 彼は独立運動をしたことで逮捕されたのであって、ハングルで詩を書いたことは何の罪にもなっていません。
ハングルの詩が罪になっていないことを証する資料として、当時の新聞に堂々と発表されている例を↑に掲示しました。 作者は徐廷柱。 号は未堂。 韓国人なら誰でも知っている有名な詩人です。 発表は1944年12月9日の「毎日申報」(朝鮮総督府の機関紙)です。
これは尹東柱が逮捕されて獄中にあった時期にあたります。 ハングルの詩作は容認されていたのです。
【拙稿参照】
尹東柱記事の間違い(産経新聞) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/02/09/7568265
尹東柱記事の間違い(毎日新聞) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/02/15/7572811
尹東柱記事の間違い(聯合ニュース) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/01/29/8339905
尹東柱は中国朝鮮族か韓国人か http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/04/21/8075000
『言葉のなかの日韓関係』(2) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/04/09/6772455
『言葉のなかの日韓関係』(3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/04/11/6774088
『言葉のなかの日韓関係』(4) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/04/13/6775685
水野・文『在日朝鮮人』(11)―尹東柱 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/06/26/8118773
コメント
_ (未記入) ― 2017/07/11 16:34
_ 辻本 ― 2017/07/11 19:03
これは燕山君の一時的措置であって、彼の死後はハングルが再興しています。 ハングルで書かれた文献資料は、かなりの量になります。
こんなことは、ハングルの歴史を知る者にはごく初歩的知識なのですがねえ。
_ 辻本 ― 2017/07/12 20:47
これは間違いでした。
燕山君がハングルを禁止したのは、燕山10年(1504)7月20日ですが、その半年後の12月10日に暦書を訓民正音に翻訳するよう命じています。
翌年(1505)9月15日、宮人の祭文をハングルに翻訳して医女に読ませ、翌年(1506)5月29日に各官庁でハングルの分かる女性を二人ずつ選んで従事させよと命じ、更に6月1日に御前用語をハングルに訳して各官庁に印刷・配布させています。
燕山君のハングル禁止令はほんの一時的なもので、すぐに政府機構内でハングルを使わせています。
ハングルが燕山君の死後に再興したというのは、間違いです。
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ハングル文字を普及させたのは日本人だから韓国民は史実をきちんと理解していればすぐに嘘だと気づく話ですね。
韓国民はハングル文字を普及させたのは日本人であることを知っているのだろうか?
韓国人学生にハングルを作ったのはいつ誰が作ったのか聞いてみると案の定「1446年世宗大王」という答えが返ってきました。
ハングルが廃止されたのはいつ?って聞くと「そんなの習ってないし、知らない」と答えた。
韓国では李氏朝鮮時代1506年にハングルが完全廃止されたことは教えてないようです。
そして日本人がハングルを復活させたなどとは夢にも思っていません。
そうしないと日本が日韓併合時代ハングルの使用を禁止したとすることの整合性に矛盾が生じるからでしょう。
李氏朝鮮時代に諺文(卑しい身分の女・子供の文字)と呼ばれ蔑まれ、書物は焚書され、完全廃止に追い込まれたハングルを
復活させたのは日本なのです。それも日韓併合前(1883年)にです。
その恩恵を受けて日清戦争で清国から独立できた李氏朝鮮は1897年2月大韓帝国と国号変更とともに公文書は漢文を止め、
漢字、諺文(ハングル)交じりの新訂国文を公布し使用を奨励するようになりました。
福沢諭吉が1883年に発掘したハングルの活字を自費で作った4年後のことです。日本がハングルを復活させなければ
大韓帝国(李氏朝鮮)もハングルを使うことはなかったかも知れません。
そしてハングルが本格的に一般に普及したのは、併合時代はじめに50校ほどしかなかった学校を40年の間に5000校を超える学校を作り
学校制度を確立させ普及に努めたからです。
日本が統治していなければ、現在も大多数の国民が文字の書けない国家だったかもしれません。
このような国家の基本に関わる日本人の善行を韓国は学校教育で教えることから日韓友好が始まるのかもしれませんね。