カナダ国籍者が二重国籍を求めて提訴(1)2022/12/26

 先日(23日)、カナダ国籍を取得した女性教授が日本国籍とパスポートを求めて提訴したというニュースが流れました。 かつて国籍法について勉強したことのある私には関心があります。 しかしニュースの内容が分かりにくいもので、続報が出るだろうと思ったのですが、今のところありません。 そこで今分かっている範囲で整理して考えてみました。

 ニュースとして報道したのは、朝日新聞、京都新聞、時事通信、NHKニュース、ABCニュースの五社です。 これ以外の各社は報道しなかったようで、見当たりませんでした。 

https://www.asahi.com/articles/ASQDR6FDKQDRPTIL002.html  https://news.yahoo.co.jp/articles/d3d15fc44dd6e801321450a8e522d0cec8457bae  https://news.yahoo.co.jp/articles/c134d32e69a178323146a2561de372a0951578e2  https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20221223/2010016278.html  https://news.yahoo.co.jp/articles/3436cda66c9cfd5bb2d9bdf62cc14aed471b6002 

 この五社のニュースから今回の提訴を時系列でまとめますと、次のようなります。 説明しやすくするために〇番号を振っています。

・2007年 ①カナダ国籍取得。この時に日本国籍喪失届を出さなかった。

・2018年  親の介護のため日本に帰国。

   ②国籍喪失届が出ておらず、入管は特例措置として日本国籍を認めて滞在を許可。

   ③日本での永住資格を得ようと東京都世田谷区に日本国籍喪失届を提出する。

   ④この時のカナダ市民権証にカナダ国籍取得の日付の記載がなく、書類不備として不受理。

   ⑤カナダのパスポートに「日本国籍抹消」と記されていることを根拠に、特例で在留許可。 

   ⑥カナダのパスポートで出国した場合、現状では5年間は再入国できないと説明される。

・2019年 ⑦日本のパスポート発給を申請したが、既に日本国籍を喪失しているとして、拒否。

・2022年  日本国籍の確認とパスポートの発給を求めて、大阪地裁に提訴。

 このような経過だと整理することができるでしょう。 (続く)