朴槿恵の大統領官邸暮らし2017/05/14

 文在寅さんが大統領に就任して,5日。 「親北反米反日」と言われていましたが、今のところ露骨な言動は控えているようで、無難に済んでいます。 これから具体的にどのような政策を打ち出すのか、じっと見守るしかないところです。

 ところで今は逮捕されて収監されている朴前大統領ですが、コミュニケーションが極端に少ない「不通」だとして、かなり批判を浴びていました。 その実態を垣間見るものが、5月8日付け『朝鮮日報』の「朴槿恵前大統領とともに過ごした唯一の人物 ‘青瓦台料理研究家’キム・マゴプ氏 単独インタビュー」という記事にありました。 日本語版にはありませんので、韓国語の勉強も兼ねて抜粋して訳してみました。

―官邸では何人が暮らしていたのですか?―

「大統領と私しかいませんでした。ユン・ジョンチュ(スポーツジムのトレーナーから青瓦台の行政官に抜擢された)が何かの時に泊まっていくことがありました。」

―大統領の部屋とはくっ付いていたのですか?―

 「官邸の空間はガラスドアで仕切られていました。大統領がおられるところには、内室(居間)、衣装室、韓室(日本の和室に相当)、小食堂などがあります。私がいる空間には理髪室を改造した事務室、美容室と二つの部屋があります。警護員らは別棟です。ガラスドアの中に入ることが出来る人は、私とユン・ジョンチュの他にいませんでした。元々は、大統領の内室は一番奥にありました。この部屋は非常に広かったです。大統領が夢を見て怖かったとおっしゃいました。二ヶ月ほどして、その部屋を運動室に変えて、代わりに接見室を内室に改造して移られました。」‥‥

―大統領の話し相手になってあげたのですか?―

 「官邸で一緒に過ごしましたが、対話することはほとんどなかったです。この方は冷めた方と言えばいいのでしょうか、そんな情というものはありませんでした。特別なことがない限り、すべてインターホンで済ましていました。内室には誰も入れませんでした。部屋を出る時も、ドアに鍵をします。それで官邸の電気をすべてLEDに変えた時、内室だけはそのままにしておきました。たった一度だけ、警護室の職員を内室に呼んだのは、蛍光灯を替えるためでした。天井が高くてハシゴを使わねばならないのですが、足が震えて出来ないと言って、その時に呼んだのです。」

―人に隠さねばならないものがあったのでしょうか?―

 「私が部屋の掃除をするので分かりますが、そんなことはありませんでした。他人に自分の中身を見せたくないということです。人と対面するとか、話をすることが嫌なのですよ。‥‥」

―青瓦台官邸に誰が来たのか、みんなご存知でしょう?―

 「知ってますよ。当初は玄関にスリッパを六足置いていたのですが、しばらくして私が片付けましたよ。お客さんが来られなかったし、特にガラスドアの中にお客さんは入らなかったです。たった一人の例外は、経絡マッサージをする「気治療おばあさん」でしたね。マットが敷かれた韓室でマッサージをしてもらうためです。他のお客さんは美容室か事務室で会っていました。」

   (続く)

文在寅さんの10大公約2017/05/09

 今日は韓国の大統領選挙日で、夜中の12時ぐらいには新大統領が判明するようです。

 これまでの世論調査等で、おそらく文在寅さんでしょう。 これまでの親北反日の姿勢から、日本では彼に対する警戒心を表す評論家や研究者が多いですね。

 実際に大統領になって具体的にどのような政策を実行するのかを見てみないと、なかなか分かるものではありませんが。手がかりになるのは、彼の公約です。 10大公約として発表されていますが、民団のHPニュースに要約があるぐらいで、全文が見当たりませんねえ。 そこでここに全文を訳してみました。 ちょっと長くなりますので、下記にクリックしてください。

http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/munnjeinn10kouyaku

 日本に関連するものは4で、北の核問題解決のために協力を求める国の一つとして挙げられているだけです。 他に日本は出てきません。 当然ながら慰安婦問題は全くありません。 

 公約ですから抽象的なものが多いですが、なかには数字を挙げた具体的なものもあります。 例えば公共部門で81万の雇用を作るとか、最低賃金を時給1万ウォン(約1000円)に引き上げとか、お年寄りに毎月30万ウォンを一律に支給するとか、PM2.5 などの微粒汚染物質の30%削減とかがあります。

 「四次産業革命委員会」「国家清廉委員会」という国家機関を新たに作るというのもあります。

 いずれにしても大統領に就任して具体的に動くまでは、なかなか分かるものではありません。 公約を実現しようと思ったが、諸般の事情で出来ませんでした、というのが多くなるでしょう。

 また公約に謳ってないことを強く押し出す可能性があります。 対日本関係は公約にはほとんどで出てきませんが、朴前大統領並みに反日外交を展開することが考えられます。

日本の百済文化探訪の旅2017/05/03

 韓国の高校生が日本にある百済文化を訪ねる修学旅行に来ると言うニュースがありました。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/05/02/2017050201761.html

【公州聯合ニュース】韓国中部、忠清南道公州市の高校生が日本の百済文化ゆかりの地を訪問する。       公州市は2日、百済文化の影響を受けて花開いた日本文化に接する機会を提供するため、市内の高校生を対象とする歴史探訪プログラムを実施すると発表した。       プログラムは大阪、京都、奈良の史跡などを巡る3泊4日の日程で行われ、参加費の一部を市が支援する。今月から11月にかけて、市内の高校7校の生徒926人と教師66人が参加する。         市関係者は「日本にある百済の遺跡を回りながら百済文化に対する誇りを高め、正しい歴史認識を持つ契機になると期待している」と述べた。         公州市は百済の古都で、2015年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に登録された百済歴史遺跡地区の一部が市内にある。

 この旅行の目的が「百済文化に対する誇りを高め、」とありますように、韓国では自国の優秀な文化が日本に大きな影響を与えたという考え方を強く有しています。 これについては拙論で10年前に論じたことがあります。     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/04/26/342428

韓国人の歴史の関心の対象は、わが民族の文化が日本にどのように伝播したか、である。来日する観光者だけでなく研究者も、この観点でやってくる。日本各地で、ここにも韓国文化がある、あそこでもわが先祖が活躍した、といった歴史を確認しようとする。極端な場合は、日本の文化はすべて朝鮮からのものであるとまで言う人もいる。                   一方日本人の主な関心は、わが文化の由来は何か、どこからの影響があったのか、というところである。様々なところからの影響があってより高い文化が成立していくと考える。その由来場所の一つが朝鮮半島である。それはいくつかあるうちの一つである。          日本人なら、韓国の文化は中国からも日本からも影響があったはずだから、彼らも自分の文化の由来を我々と同じように関心があるはずだ、と考えるだろうが、実際にそういうことはない。韓国人は自分の文化の由来にほとんど関心を持たない。関心があるのは、自分たちの優秀な文化がいかに広まったかの伝播論である。       韓国の伝播論と日本の由来論とは妙に一致するところとなるが、両者の歴史認識の根本は全く違うものである。 日本と韓国の歴史認識の一致は極めて困難である。

 日本の古代に朝鮮半島からの影響があったのは事実ですが、こればかりに関心があって、肝心の日本文化には関心が行かない、というところが不思議ですねえ。 これについては文化人類学の伊藤亜人さんは『アジア読本 韓国』(河出書房新社 1996年7月)で次のように説明しています。

日本の文化のうちで韓国人が関心を持つのは、韓国との類似性や共通性が見られるもので、しかも明らかに韓国からの伝播が想定されるものに限られるといっても過言ではない。 韓国に類例のないものについては眼中にないのか、意図的に避けてしまうのか、取り上げようともしないことが多い。(303~304頁)

(韓国における「日本文化研究所」が企画した)現地調査もこうした体質をよく反映するものであった。 それは日本研究の現地調査と称していながら、実際には「日本の中の韓国文化」の確認と発掘をめざすものであり、それ以外の日本の文化伝統についてはほとんど関心を示さなかった。(304頁)

韓国人はかつて日本人に文物を教えもたらしたことによって、今日はたいへんな優越感を持っているようである。 韓国では日本と違って、教えることは優越感と結びつき、学ぶことは自尊心を傷つけ劣等感をもたらすことのようである。(304頁)

このことが韓国においていまだに日本文化の研究が遅れている大きな一因となっていることは確かである。(303頁)

 これは20年も前の記述ですが、今も十分に通用するものです。 本来は韓国人自身が自省的に論じなければならないところなのですが、そのような動きが見られないのは寂しいですね。

【拙論参照】

韓国の伝播論と日本の由来論   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2006/04/26/342428

情けない日本の古代史学者    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/10/02/5380855

「古代渡来人」考           http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/dainijuudai

日韓交流の陥穽           http://www.asahi-net.or.jp/~fv2t-tjmt/daigojuudai

図書館寄贈本の所有権は図書館にある2017/04/28

 フランス文学者の故桑原武夫氏が京都市の図書館に寄贈した図書が廃棄されたことで、大きな問題になっています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170428-00000013-asahi-soci

 しかし何故これが問題になるのか?私には疑問です。なぜなら、寄贈したからには所有権は図書館側にあり、これをどう処理するかは図書館側が決めることだからです。

 私事ですが、私は数十年前に某図書館にアルバイトをしたことがあります。 その時に、亡くなった親の蔵書とか、自費出版した本とか、要するに古本屋に持っていても拒絶されるか超安値でしかない本ばかりを寄贈希望されることが多かったです。 なかには、学校の卒業文集なんてものを寄贈しようという人もいました。

 桑原武夫さんは文化勲章を受章するほどの超有名人ですが、その所蔵本がすべて貴重なものではないでしょう。 図書館の書庫に収蔵するかどうかは図書館側が主体的に決めるべきものです。 

 収蔵する価値がないと判断すれば、廃棄するか、それとも市民に「欲しい方はご自由に持っていって下さい」と呼びかければいいだけです。あるいは熱心な桑原武夫研究者に差し上げてもいいでしょう。

 桑原武夫記念館なんてものを設立してその所蔵図書なら廃棄は非難されてしかるべきですが、そうではなく一般市民のための図書館への寄贈本ですから、市民に役に立たないと判断すれば廃棄しても構わないものです。

 今回は図書館側に問題があったのだろうか?と疑問を抱きます。

中国の韓国古代史認識2017/04/23

 韓国の有力紙『朝鮮日報』の4月21日付に、「『韓国は中国の一部』 習近平発言は袁世凱流の中華主義」と題する記事があり、その中で中国が朝鮮古代史を次のように見ていると記されています。

中国の歴史学界は、韓国が韓民族形成の二つの柱としている北方のワイ貊(ワイパク。ワイはさんずいに歳)族と南方の韓族のうち、韓族だけが韓国史の領域だと見なしている。高句麗・扶余・渤海などワイ貊族やその子孫が建てた国々は、中国の地方政権だという。こうした認識によると、満州はもちろん大同江以北も、高麗時代以前は中国の領土ということになる。中国からやって来た箕子が平壌に古朝鮮を建国して周の諸侯国となって以降、漢は楽浪郡・帯方郡、唐は安東都護府を置いてこの地域を統治したというのだ。韓半島(朝鮮半島)南部から起こった韓族が北進して鴨緑江・豆満江に到達するときまで、韓半島北部は中国の領土だっという主張だ。

 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/04/21/2017042101560.html

 朝鮮(韓)民族はもともと朝鮮半島南部の韓(馬韓・弁韓・辰韓)であって、北方の濊・貊族(ツングース系ー高句麗や渤海等を含む)ではない、そして南部にいた韓族が北進して朝鮮半島を自分の領土としたという歴史観です。

 韓国の報道ですから、中国がこのような歴史観を本当に抱いているのかどうか分かりません。 しかし現在の韓国が「韓」という国号を有しており、また1800年前に(日本では邪馬台国の時代に相当します)実際に存在していた馬韓・弁韓・辰韓は今の韓国とほぼ同じ領域に所在するのですから、韓民族の淵源は半島南部の三韓(馬韓・弁韓・辰韓)にあるというのは理解しやすいものです。

 実際はこんな単純なものではありません。 これについては、かつて拙論で論じたことがありますので、参照して頂ければ幸い。

【「韓」という国号】

「韓」という国号について(1)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/05/09/7630067

「韓」という国号について(2)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/05/14/7633517

「韓」という国号について(3)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/05/19/7636889

「韓」という国号について(4)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/05/24/7645246

「韓」という国号について(5)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/05/29/7657652

「韓」という国号について(6)   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/03/7661140

「朝鮮」という国号         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/09/21/7802232

「朝鮮」は韓国ナショナリズムを封鎖する?? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/10/02/7821711

【「三韓」の用例】

「三韓」の用例(1)―中国古代     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/08/7664404

「三韓」の用例(2)―朝鮮古代     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/13/7667715

「三韓」の用例(3)―日本古代     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/18/7671200

「三韓」の用例(4)―朝鮮古代金石文  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/22/7678138

「三韓」の用例(5)―中国古代金石文  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/26/7680561

「三韓」の用例(6)―沖縄金石文    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/06/30/7690495

「三韓」の用例(7)―朝鮮王朝実録   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/07/04/7697561

「三韓」の用例(8)―近代日本     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/07/10/7704555

「三韓」の用例(9)―「三韓」で一つの言葉  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/07/14/7707210

「三韓」の用例(10)―まとめ     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/07/18/7709750

「独島」名称の由来2017/04/21

 韓国の有力紙『朝鮮日報』の2017年4月17日付けのコラム記事に、「『独島』の名称の由来」と題するコラムがありました。 「独島」は日本では「竹島」で、領有権で対立してい島ですから日本に関係するものなのですが、何故か日本語版にはありません。 ここで訳してみて、参考にしてほしいと思います。 まずは原文です。

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2017/04/16/2017041601759.html

우리말의 어원과 한자학을 50년 넘게 연구해온 진태하(81) 선생의 '漢字學全書(한자학전서)'를 읽다 보니까 여러 가지 재미있는 내용이 많다. 어느 한 분야에 10년을 전념하면 프로의 세계에 입문하게 된다. 20년을 하면 강호에 나가서 일방적으로 얻어맞지는 않는다. 맞기도 하지만 때리기도 한다. 30년을 하면 대가의 반열에 오른다. 50년 정도 하면 접신(接神)의 경지에 도달하지 않나 싶다. 학문적으로 접신의 경지에 도달한 인물과 대화를 나누다 보면 구구절절 배우는 게 많다.         진 선생의 주장 가운데 '독도(獨島)'의 이름이 어떻게 해서 독도가 되었나를 밝힌 부분이 흥미롭다. 원래는 '독섬'으로 불렸다는 것이다. 고대에 이 섬을 지나다니는 뱃사람들이 붙인 이름이다. 섬에 나무가 없이 바위로만 주로 이루어졌기 때문이다. 돌(石)의 방언이 '독'이다. 우리나라 중남부 지방의 사투리에서는 '돌'을 '독'으로 발음한다. 독도는 경상도와 전라도 뱃사람들이 이 섬을 지나다니다가 붙였던 이름으로 추정된다. 이렇게 오랫동안 '독섬'으로 불려오던 이름이 대한제국 시대에 한자 이름으로 바뀌면서 '石島'로 되었다. 그러다가 다시 소리 나는 대로(借音表記) 바꾸었다. '독섬'이 '獨島'가 된 것이다.           일본에서는 독도를 竹島로 표기한다. 대나무가 있는 것도 아닌데 왜 竹자를 넣었을까? 대나무의 원산지는 동남아시아인데 점점 북상하여 중국 남방으로 올라왔다. 중국 남방에서는 竹을 'tek'으로 발음한다. 이것이 일본에 들어가서는 종성(終聲)을 분리하여 발음하는 습관에 의하여 '다케'로 발음이 되었다. 한국에 들어와서는 입성(入聲)이 탈락된 뒤에 들어와 '대'로 발음하게 되었다는 것이 진 선생의 주장이다. 우리나라 뱃사람들이 '독셤'이라고 발음하는 것을 일본 사람들이 듣고 전하는 과정에서 '도케시마'로, 이것이 다시 '다케시마'로 정착되었다. 다케시마를 일본식으로 표현하면 '竹島'가 된다. 독도에는 대나무가 전혀 없으므로 竹자가 필요 없다. 우리말의 '독섬'을 일본 사람들이 소리 나는 대로 전하는 과정에서 '다케시마(竹島)'로 되었다는 게 이 책에 나온다.

 日本語訳です。

韓国語の語源と漢字学を50年以上研究してきた、チン・テハ(81)先生の「漢字学全書」を読んでみると、いろいろと面白い内容がたくさんある。ある一つの分野で10年専念すればプロの世界に入門するようになる。20年すれば世間に出て一方的に批判されるばかりではなくなる。叩かれるが、こちらから批判することもある。30年になれば大家の一人になる。50年ぐらいになると、神の領域に近づているのではないかと思う。学問的に神の領域に到達したような人と対話をすれば、一言一言に学ぶことが多い。

陳先生の主張のなかで、「独島」の名前がどのように独島となったかを明らかにしたところが興味深い。元々は「ドクの島」と呼んだというのである。古代にこの島を行き来した船乗りたちが名付けた。島に木がなく、主に岩ばかりであったためである。ところで「トル(石)」の方言が「トク」である。韓国の中南部地方の方言では「トル」を「トク」と発音する。独島(トクト)は慶尚道と全羅道の船乗りがこの島を行き来した時に呼んだ名前と推定される。このように長い間「トクの島」と呼ばれてきた名前が大韓帝国時代に漢字の名前に変えて「石島」になった。そうしているうちに、発音の通りに書き表す‘借音表記’に変わった。「トクの島」が「独島」となったのだ。

日本では独島を「竹島」と表記する。竹があるわけでもないのに、なぜ「竹」の字を入れたのか?竹の原産地は東南アジアであるが、段々と北上して中国の南方にやって来た。中国南方では「竹」を「tek」と発音する。これが日本に入ってきて、終声(言葉で子音で終わること)を分けて発音する日本の習慣によって「タケ」と発音するようになった。韓国では、入声(k,p,tの子音で終わること)が脱落して「テ」と発音するようになったというのがチン先生の主張だ。韓国の船乗りたちが「トクの島」と発音するのを日本人が聞いて伝わる過程で「トケシマ」に、これがさらに「タケシマ」として定着した。タケシマを日本式に表現すれば「竹島」となる。独島には竹が全くないので、「竹」の字は必要ない。韓国語の「トクの島」を日本人が聞いたまま伝わる過程で「タケシマ(竹島)」になったというのが、この本に出てくる。

 まとめてみれば、韓国の船乗りは元々「トル(石)の島」と呼んでいたのが、方言によって「トクの島」となり、これが「独島」と表記されるようになった。 日本人は韓国人が「トクの島」と呼ぶのを「タケシマ」と聞いて「竹島」と表記するようになった。 こういうことですね。

 どんな史料や根拠に基づいているのか分かりませんが、韓国ではこんなことを言っている人がいる、ということで、何かの参考になるでしょう。

 【竹島関連 拙稿】

『朝鮮日報』のお粗末記事―歴史資料の誤読  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/10/22/6609737

「韓国は中国の一部」―習発言2017/04/20

 中国の習近平さんが、アメリカのトランプさんとの首脳会談で「韓国は中国の一部」と発言したそうです。

【ソウル聯合ニュース】トランプ米大統領が中国の習近平国家主席と首脳会談で交わした対話の内容を伝え、「韓国は中国の一部」と発言し、波紋が広がっていることについて、韓国の外交部当局者は「一考の価値もない」と強く反発した。       同当局者は「報道内容が事実かどうかと関係なく、数千年間の韓中関係の歴史で韓国が中国の一部ではなかったことは、国際社会が認める明白な歴史的事実であり、誰も否認できない」と強調した。         トランプ大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、「習主席が(6~7日の米中首脳会談で)中国と朝鮮半島の歴史について話した。数千年の歴史と数多くの戦争について。韓国は実は中国の一部だった」と述べた。         習首席が実際に会談でトランプ大統領に述べたのか、トランプ大統領が誤解し、誇張して表現したのか、通訳ミスなのかは確認できていない。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2017/04/19/0900000000AJP20170419004400882.HTML

 習近平さんが実際に何と言ったのか具体的には分かりませんが、トランプさんがそのように聞こえる発言をしたのは間違いないでしょう。

 中韓関係の数千年の歴史は宗主国と朝貢国の関係ですから、「韓国は中国の一部」発言は必ずしも間違いではありません。 といって全く正しいとも言えません。

 なお韓国当局者が「数千年間の韓中関係の歴史で韓国が中国の一部ではなかったことは、国際社会が認める明白な歴史的事実」と言っているのは間違いです。 朝鮮半島北部にはかつて楽浪郡が数百年もの間、中華文明の華を咲かせていました。 ここは明白に「中国の一部」です。

 習近平さんの認識では、朝鮮半島は数千年来わが中華の勢力範囲内に入っている、ということなのでしょう。 とすると、現在の北朝鮮の緊張状態は、わが中国が解決する、アメリカは手を出さなくていい、というメッセージかも知れませんね。

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (9)2017/04/14

 これは朝日新聞 昭和19年7月9日付け、第三面最下段にある人探し広告です。

 二年ほど前に拙ブログで紹介したことがありますので、再掲です。 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/09/24/7807103

 昭和19年ですから、創氏改名の施行(昭和15年)から4年経った時期です。

 人探し広告ですから、「崔金石」「(崔)炳龍」「(崔)炳閏」という名前で社会に広く通用していたことになります。 

 創氏改名で日本名を強制され、民族名を維持しようとしたら様々な嫌がらせを受けて結局は日本名に変えた、などという俗説は否定されねばなりません。 しかし一部で未だこれを信じ、学校で教えているところがあるというのは困ったことですね。

【これまでの拙稿】

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/28/8423913

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (2)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/30/8425667

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/01/8436928

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (4)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/03/8441238

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (5)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/05/8444253

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (6) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/07/8447420

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (7) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/09/8451992

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (8) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/11/8457633

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (8)2017/04/11

 これは以前に紹介した、応召(徴兵されること)した朝鮮人若者を送り出す、壮行の写真です。 李圭憲著『写真で見る韓国の独立運動』(高柳俊男・池貞玉共訳 1988年11月 国書刊行会)の158頁に掲載された写真資料です。

 朝鮮人の徴兵は1944年から始まります。 従ってこの写真は1944年あるいは1945年の写真です。 創氏改名から4~5年経っています。 

 民族名で堂々と大日本帝国軍へ入営しています。

【これまでの拙稿】

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/28/8423913

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (2)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/03/30/8425667

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (3) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/01/8436928

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (4)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/03/8441238

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (5)  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/05/8444253

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (6) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/07/8447420

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (7) http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/04/09/8451992

創氏改名の誤解―日本名は強制されていない (7)2017/04/09

 愛国貯蓄帳です。 水野直樹ほか編著『図録 植民地朝鮮に生きる―韓国・民族問題研究所所蔵資料から』(岩波書店 2012年9月)の109頁に掲載されている資料です。

 詳しい時期は分かりませんが、「銃後の護」とあるところから、太平洋戦争時のものかと推測されます。    名義人は「金禎□」で、最後の□は何という漢字になるのでしょうか、崩し字辞典で探してみましたが、分かりませんでした。

 いずれにしても、民族名であり、日本名ではありません。