児童虐待2020/11/20

 児童虐待は非常に深刻な問題として、多くの国民の関心が寄せられています。 韓国でも児童虐待は深刻です。 11月18日付の『朝鮮日報』に児童虐待事件の裁判記事がありましたので、ちょっと訳してみました。  https://www.chosun.com/national/national_general/2020/11/18/EQED54YYRND6RBFGJMTHESNGIA/

1歳にもならない子女二人を窒息させ殺害した20代夫婦の控訴審で、「弟が泣くたびに、お父さんが首を絞めた」という陳述が公開された。

この夫婦は一審で明らかな証拠がないという理由で、殺人容疑について無罪を宣告された。

18日、ソウル高等裁判所チュンチョン裁判部刑事1部(裁判長パク・ジェウ)の審理で開かれたファン某(26)とカク某(24)氏の控訴審の第二回公判で裁判部は、証拠して採用した、長男(5)の陳述の様子が録画された映像を公開した。

映像で、長男は「末っ子の弟が泣くたびに首を絞められ、咳をして手足をばたばたさせていた」と陳述した。

検察は「満4歳の児童であることを考えると、昔の妹弟のことを記憶しているのかという疑問が多少残るが、ファン氏は子供が泣くたびに首を絞めて、その子が手足をばたばたさせていた状況は正確に記憶している」 「この点に照らしてみると、ファン氏の行為を推論できることはもちろん、その行為を先に陳述したカク氏もまた子女が泣くたびに夫が首を絞めて泣くのを止めさせていたことを知っていた」と言った。

裁判部はこの日、児童虐待致死の容疑を公訴事実として追加した公訴状変更申請も受け入れた。

ファン氏とカク氏は2016年9月13日に長男A君と長女B嬢の二人の子供と、原州のモーテルに投宿していた時に、B嬢が泣いてむずかると「うるさい」と言ってB嬢を布団で覆いかぶせて殺害した。 二人はB嬢が亡くなってもこれを届け出ず、3年余りの間に710万ウォンの養育手当を不当に受け取っていた。 遺体も遺棄した。 また昨年6月には生後10ヶ月の三番目の子供C君がむずかって泣くや、喉を締めてC君を殺害し遺棄した。 この過程で、カク氏はファン氏の子供たちに対する物理的行使を見守るだけだった。

これと関連して、検察はファン氏に殺人と死体隠匿などの容疑を、カク氏に児童虐待致死と死体隠匿などの容疑を適用して起訴したが、一審裁判部はファン氏の殺人容疑とカク氏の児童虐待致死を「故意性がない」として無罪と判断した。

ただし、夫婦の死体隠匿と児童虐待、児童遺棄・放任、養育手当の不当受給容疑は有罪と判断して、ファン氏に懲役1年6ヶ月を、カク氏に懲役1年に執行猶予2年を宣告した。

 殺人に関しては無罪とした一審判決に対して、控訴審で出て来たのが冒頭の長男の陳述「弟が泣くたびに、お父さんが首を絞めた」という記事です。

 亡くなった妹や弟はまだ1歳にもなっていないというのですから、ぐずって泣くのはよくあることでしょう。 だからといって父親が布団を被せて窒息させたり首を絞めるとは!! 父親に殺されたのというのは事実でしょう。 あまりにも胸が痛みますね。

 韓国での児童虐待の数は、虐待と認知された件数では2016年2万9674件、2017年3万4169件、2018年3万6417件、2019年4万4169件と毎年急増しています。

 一方、日本では児童相談所での虐待相談件数になりますが、2016年12万2578件、2017年13万3778件、2018年15万9850件、2019年19万3780件と、こちらも毎年激増しています。

 児童虐待は日本でも韓国でも深刻な問題といえます。 なお児童虐待件数が近年に増えたのは、昔はなかったのに近年の社会・家庭状況の変化によって増えたのか、それとも昔からあったのだが近年になって問題化したから数字だけ増えたように見えるのか、ちょっと分からないですねえ。

 また同じ虐待でも日本と韓国では共通点と相違点があると思うのですが、そのあたりも気になるところです。

【拙稿参照】

児童虐待の暴言「橋の下で拾ってきた子」は日韓共通だが‥ http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/07/09/9125209

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