同和の闇に切り込めなかったのか―関電金品受領事件2021/11/18

 原発が林立する福井県を舞台に、関西電力の役員らが多額の金品を受領し、不正な便宜供与を図ったという疑惑の事件で、先週(11月9日)検察特捜部は不起訴処分を出しました。   https://news.yahoo.co.jp/articles/a4a7217b871b5f4d5e818c7eb155eed85bb8c765

 この事件は同和の闇が垂れ込めるものでしたが、報道はすべて「同和」のことには言及しませんでしたねえ。 「同和」がマスコミではいまだタブー視されているようです。

 この事件の一方の主役が森山栄治という人で、彼が解放運動を足掛かりに関電という巨大企業と高浜町等の行政とを籠絡し、多額の金品を渡しながら莫大な利益を上げたという事件でした。 拙ブログでは2年前に取り上げたことがあります。   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/12/18/9190648

 森山はすでに故人なので責任を問われず、金品を受領した関電が検察の捜査対象となっていたのですが、結局、刑事責任は問えないとして不起訴になったのでした。

 ところで普段正義の味方のように振る舞うマスコミが今回の件で「同和」には全く言及しないところに、「同和の闇」の根深さを感じます。 少なくともこの関電金品受領事件には「同和の闇」があることを、多くの人に知ってほしいと考えます。

 先の熱海土石流災害でも「同和の闇」が見え隠れします。

 日本にはこのような「闇」があります。 わが日本は住みよい素晴らしい国だとは決して言えない現実があることに、国民はもっと知ってほしいですね。 

【拙稿参照】

解放運動の闇専従-森山栄治  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/12/18/9190648

熱海土石流災害に強制捜査―同和の闇に迫れるか http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/10/30/9436105

熱海土石流―「同和」の体質と恐怖 https://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/07/26/9401762

同和企業の思い出 ―熱海土石流災害を見て http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/07/11/9396847

差別の自作自演事件       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2021/06/06/9385057

コメント

_ TOM ― 2021/11/18 12:48

10年以上前、事件記者だったころ、全国の事件現場を飛びまわって取材していました。西で発生した、いわゆるワイドショウが飛びつきそうなセンセーショナルな事件―槍で刺殺、とか、毒殺とか―は、かなりの確率で同和地区だったことを思い出します(統計を取ったわけではりませんが、主観では7割くらいでしょうか)。現場に行くと、こぎれいな住宅が建ち並んでいる。事件現場はこの先だという。歩いていくと道路の向うが一段低くなっていて、ずらりと長屋が立ち並んでいる―長屋と長屋の間は土で、舗装もされていない―。東京で生まれ育った私には、衝撃的な風景でした。
記者に対しては当然のことですが、その地域の住民からの当たりは厳しいものです。でも同和地区は特に敵対的でしたね。緊張して取材したのを覚えています。
そこが同和であるかどうか、は勿論事件とは関係ないものとして扱わなければいけません。
殆どの事件は貧しさが背景にあります。なんでも同和に関連付けて扱うのは間違っていると思いますが、同和地区内での差別が原因となっているような事件でも、そうした事柄に言及はできず、どう伝えたらいいのか考え込んだものです。

_ 河太郎 ― 2021/11/18 15:21

辻本さん<ところで普段正義の味方のように振る舞うマスコミが今回の件で「同和」には全く言及しないところに、「同和の闇」の根深さを感じます。>

全く同感です。そして日本のマスコミの胡散臭さもです。

辻本さん<日本にはこのような「闇」があります。> 

全くそうです。
「闇」に加害者と被害者がいるとすれば、被害者側が、業界の慣例を踏襲した、手続きの面倒を手抜きした、法的防御策を講じなかったなど、今から思えば被害者側にも落ち度なしとは言えない点もあったかもしれませんね。勿論。闇の加害者が100%悪、被害者の落ち度0%もあるでしょうが。

今では、株主総会に総会屋を利用する一流企業は皆無でしょうが、会社も経営者もスキャンダルの処理は最終的なコストを考えて決断しているでしょう。
そうしなかったところが、闇の餌食となり、マスコミにおいしい記事を提供することになります。

私も今の仕事を始めるときに、同業者の総会で会長が、お客に善意で便宜を図ったつもりでも、相手はそれを逆ネジに使って更なる便宜を要求することがあるので、十分に注意するように、と警告しました。私も仕事上で会長の教訓を思い出したことが何度かありした。とても闇と言うほどの事柄ではありませんでしたが、クワバラ、クワバラと思ったことは事実です。

辻本さん<わが日本は住みよい素晴らしい国だとは決して言えない現実があることに、国民はもっと知ってほしいですね。>

同和がらみで言えば、商売人、企業、教育関係者などが、被害者が出たことは事実ですね。特に広島の校長が糾弾により命を絶った例が幾つもあったことは忘れられません。商売人の私の弟も、宝石商の同級生も、因縁をつけられてカネをせびられたと話していました。

私は日本人に生まれた幸運をつくづく感じます。以前は、住めば都、どこでも同じ、と思っていましたが、今は素直に日本人で良かったと思っています。

世界の有様が今はマスコミの画像を通じて良く分かりますが、その時思うのは、日本が島国で自然災害列島の大変さもあるが、地政学的な有利さもあり、歴史も穏和な歴史であり、それに伴い人間性も温和でいられた、と。

新大陸のアメリカUSAは、いまでも超大国で世界中の人間がアメリカを目指していますが、黒人奴隷という原罪に苦しんでいます。

ヨーロッパも陸続きという厄介な地政学上の難問、過去の植民地所有のツケ、イスラム教徒という難問、など、政治は大変です。

商売で多くの東南アジア諸国を訪問した人が以前講演で、日本人に生まれただけで子供の幸福は95%は約束されている、と話していましたが、そうかもね、と思った記憶があります。

_ 辻本 ― 2021/11/18 17:06

>歩いていくと道路の向うが一段低くなっていて、ずらりと長屋が立ち並んでいる―長屋と長屋の間は土で、舗装もされていない―。

 これは同和地区ではないです。
 同和対策事業は1969年から2002年までの33年間にわたって、15兆円という巨額の公費を使って施行されました。
 ですから同和地区では20世紀末以降に長屋が立ち並ぶとか、道路が舗装されていないとか、あり得ません。

 同和に無知な方(東日本に多い)が、西日本でスラム街とか評判の悪い地区などを見て、「同和地区」と勘違いする場合がありますが、そうではないですか?

_ 竹並 ― 2021/11/18 21:26

例えば、四国の香川県とか、ある町の入口に「人権を守ろう」とか広告塔が建っていたりします。
これが「同和問題」と関係すると(僕が)気づいたのは、1990年代の初め、円高の結果、米国製の製薬プラントが割安になって、日本市場で売れて、そのメンテナンスに来た米人テクニシャンを四国のワクチン=メーカーに案内した時です。

米人テクニシャンが「あの看板は、何が書いてあるのか?」と聞くので、「人権を守ろう、と書いてある」と答えると、彼は「ああ、プロテストか…」と納得してました。
僕は「プロテスト=抗議」と理解していたので、社会問題が存在することの指摘、それ自体の掲示も「プロテスト」というのかと感心しましたね。
それから自分で調べて、はじめて「同和問題」への啓蒙の看板だと知りました。
(それまで「人権」の看板なんぞ、「何のお題目か?」と気にも留めなかったんですが(w)

_ TOM ― 2021/11/19 17:51

うーん、なるほど。
確かに長屋というか、文化住宅というか、一段低かった住宅地の事件は、周辺住民の聞き込みのみの日帰り取材だったので、徹底した裏までは、取っていませんでした。
私の間違いかもしれません。

当時の取材メモを探しましたが、事件そのものの詳細は残っていませんでした。今となっては場所も分かりません。
ただ、98年のことだったということだけはわかりました。
全然10年前ではなかったですね、失礼しました。

_ 竹並 ― 2021/11/20 19:52

ついでに… 「人権」というと「拉致問題」も、自治体の「人権(啓発)課」の窓口が直接の接触先なので「人権問題」になるんでしょうが、これも、背後に同和(or部落)の問題が絡んでいるのではないかと、憂鬱、深刻な疑念を感じています。
 松山市の人権啓発フェスティバル2021(講師:蓮池 薫)
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/smph/shisei/jinken/gyoji/jinkenfes2021.html

過去、「同和」に関わる暴力などには、官憲(司法、警察)も無力らしく仄聞するにつけ、小説『草枕』ぢゃないですが… 所詮「裁判官、裁判所」も、向こう三軒両隣にチラチラするタダの日本人が構成する世界なのかと、疑念を感じ、複雑な思いにとらわれますね。

ご参照…

>> ところで。 大阪地裁堺支部において、ブルーリボンバッチの着用を巡って騒動が起きている。 私は立法権に属する者ゆえ、司法権については直接的には介入すべきではないけれども、法に基づく行為として着用には問題はない、政治的な主張とは異なるものであるという考えから質問に立っている。 また、当市の市行政は、法を素直に読み解いた結果、「啓発の努力義務」の観点から「執務中の着用には問題がない」と明確に答弁している。
https://samurai20.jp/2021/11/rachi-33/

_ 辻本 ― 2021/11/21 03:21

>これも、背後に同和(or部落)の問題が絡んでいるのではないかと、憂鬱、深刻な疑念を感じています。

 2002年の同和対策事業が終わるまでは、各自治体で行なわれていた人権講演なんかは、同和問題が中心でした。 その講師に、解放同盟の方がよく呼ばれていましたねえ。
 その後は、同和から離れて、幅広い問題を扱うようになりました。
 同和ばかりでは人々の関心が薄く、人が集まらなくなったからだと思います。
 今は障害者、高齢者、女性、性的少数者等々、色んな人権問題のうちの一つとして、同和を取り上げるくらいでしょう。
 なお自治体によっては、今なお同和に固執するところもあるようですが。

 拉致問題も、そういう流れのなかで人権を扱う担当部署が行なったのではないかと推測します。
 私は「憂鬱、深刻な疑念」ではなく、以前に比べてよくなってきたと感じますね。

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