買春しないとスパイ申告された時代2015/03/05

유시민(柳時敏)の『나의 한국현대사(私の韓国現代史)』(2014年7月 돌배개(石枕))の続きです。    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/02/22/7577021  この本で、「ああ、そう言えばそういう体験者の話を聞いたことがあったなあ」と思い出させてくれたのが間諜(スパイ)申告です。

 1970~80年代の韓国は軍事政権時代で、北朝鮮と激しく対立していました。 韓国は北からの間諜(スパイ)侵入を警戒して、国民に怪しいと思ったら間諜申告することを呼びかけていました。 申告して本物の間諜であったら多額の報奨金が貰え、逆に申告しなかったら不申告罪という罪になりました。 韓国ではこのようなことを小学校時代から国民に教えていたのです。

 それではどのような人間が「怪しい」とされたのかについて、当時の政府が『19の間諜識別法』という冊子を作っていました。 そのなかに「一人で旅館・ホテルに投宿しながら、アガシ(若い女性)を呼ばない者を疑え」という項目があったことを、この유시민(柳時敏)の本で初めて知りました。

 私の知人の話ですが、父親がかつて朝鮮総督府で働いたことがあり、多数の資料を残して戦後日本に帰国しました。 この資料を受け継いだ韓国側がこれについて聞きたいことがあるとして父親を招待し、知人はこれに付いて行った時のことです。 向こうの招待ですからそれなりの格式のあるホテルで、父親は一人で寝たいからというので別々の部屋を取りました。

 夕食が済んで部屋にいると、若い女性がノックして部屋に入ってきました。 知人は帰ってくれ、父親も一緒に来ているのにそんなことは出来ないと断ったそうです。 女性は、だったらお父さんの方にももう一人呼びましょうかと、しつこく勧めてきたのをきっぱり断ったのですが、しばらくして警察がやって来て取り調べを受けたのでした。

 この話を聞いてその時は、それはスパイのような顔をしていたからじゃないですか、などとからかったのですが、実はこの場合はスパイとして申告されるのが当然の事態だったのです。 

 男性が一人ホテルに泊まれば女を買うのが当たり前、それをしなかったら怪しまれる。 今の韓国では想像もつかないことでしょうが、ほんの3・40年前までの韓国は売買春が横行していており、政府も国民もそれを当然のこととしていたのでした。

 この時代に日本では韓国への買春目的の‘キーセン観光’に反対する運動が盛んで、韓国内でもこれに同調して日本を糾弾する市民団体がありました。 曰く「日本による性侵略」だと‥‥。 しかし韓国政府自体が買春をしなかったらスパイを疑えと教えていたことについては、口をつぐんでいましたねえ。 今ようやく、この事実を知ったということです。

慰安婦問題―韓国政府には当事者能力がない2015/03/09

 慰安婦問題に関して、日韓の外務省局長級会談が続いているようです。 韓国のマスコミが日本から具体的な提案があったと報道し、それを引用する形で日本の産経新聞が報道しました。 http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2015/03/08/0400000000AJP20150308000400882.HTML http://www.sankei.com/world/news/150308/wor1503080015-n1.html

 この産経記事のなかで、韓国政府の一貫した立場が簡潔に述べられています。

韓国は「被害者が納得できる措置」を取るよう要求。

 ここでは「被害者」とありますが、実際には‘韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)’という市民団体です。 つまり韓国政府は「わが国の挺対協が納得できる措置」を日本政府が取れと主張しているのです。 これはこの産経記事だけでなく、毎日新聞の澤田克己記者が書いた『韓国「反日」真相』(文春新書 2015年1月)のなかの次の記述と一致します。

(民主党政権時代の2102年に具体的な)解決策を韓国政府に提示した。この案は、佐々江賢一郎外務省事務次官が訪韓して伝えたため、韓国では「佐々江案」と呼ばれている。    日本側は「これ以上は絶対に無理」と伝えたが、韓国側は受け入れなかった。当時、韓国の外交通商省(現外務省)の東北アジア局長として受け入れ拒否を強く主張した趙世暎氏は「日本の国家責任を認めていない案を、被害者と関連団体が受け入れるとは思えなかった」と理由を語る。       関連団体とは挺対協のことだ。一市民団体であるはずの挺対協が、事実上拒否権を持つにいたったということだ。 (116~117頁)

 すなわち韓国政府は、自分が慰安婦問題に関して日本とは単なる交渉役に過ぎず、最終的決定権は市民団体にあるという立場を表明しているのです。

 いわば市民団体は社長、韓国政府は営業社員です。 営業社員が「社長が何を考えているのかよく分からないので、社長の気に入りそうな案をそっちで考えて作ってください。」と言いながら取引先と交渉しているようなものです。 さらに営業社員は取引先が社長の気持ちを汲んでくれないと、関係のない周囲の人たちに不満をぶちまけているのです。

韓国政府は慰安婦問題に関して自分に当事者能力がないことを認めているのですから、日本政府はこんな韓国政府を相手にいくら話し合っても意味がないのです。

【拙稿参考】 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/12/28/7525901

檀君神話はお伽話2015/03/15

 韓国の古代史を読んでいつも違和感を持つのが「韓民族五千年の歴史」です。 これは、韓(朝鮮)民族の歴史は熊から生まれた「檀君」が創始した「古朝鮮」から始まるとするものです。この「檀君朝鮮」の建国が紀元前2333年とされていますから今から4千数百年前、大雑把に数えて5千年間の民族の歴史となるわけです。

 この檀君神話は、13世紀の高麗の時代に一然という僧侶が作った私選の歴史書『三国遺事』のなかに初めて出てくるもので、それ以前の史料には全く出て来ないものです。 官選書(正史)である『三国史記』(12世紀)にもなく、中国・日本の史料にもなく、好太王碑文等の金石資料にもないのです。 おそらく当時の高麗国内の民間に伝承されてきたお伽話と見ていいでしょう。

 檀君神話が記録されたのが13世紀ですから、檀君の時期とされる紀元前2333年から3千5百年も経っています。 その間に箕子朝鮮、衛氏朝鮮、楽浪郡、濊、沃沮、馬韓、弁韓、辰韓、加羅、高句麗、百済、新羅、耽羅等々と多くの国が興っては滅んでいます。 このうち高句麗、百済、新羅、加羅、耽羅(済州)の建国神話資料が残っています。 それによれば、高句麗を建国したのは卵から生まれた朱蒙であり、百済を建国したのはこの朱蒙の子供である温祚であり、新羅を建国したのは卵から生まれた赫居世です。 加羅でも卵から生まれた首露が王となっています。 これらの建国神話は卵から生まれた人物あるいはその子供が建国したという‘卵生神話’で共通しますが、中身はそれぞれ互いに違うものです。 また耽羅は三姓神が日本から来た女性と結婚して建国したという神話です。

 以上のように古い資料で確認できる建国神話には様々がありますが、すべてに共通するのは‘熊から生まれた’檀君神話とは何の関係もないということです。 だから高句麗の人々は自分たちが朱蒙の子孫であることを自覚し、同じく百済は温祚、新羅は赫居世、加羅は首露、耽等(済州)は三姓神の子孫であることを自覚していたでしょうが、檀君の子孫であるという考えは全くなかったと言えます。

 ところが13世紀の檀君神話というのはこれらの国々を飛び越して、いきなり3千5百年前に檀君が国を作ったという話になるもので、その間の長い年月を語り続けられてきた伝承とは全く関係がないということです。 檀君神話というのは13世紀の高麗人の間ではこういう昔話が飛び交っていたという史料になるだけで、それ以上のものではないのです。 

 しかし韓国ではこの檀君神話を中世の高麗史のなかではなく、古代史の最初に所に置いて史実のように扱い、「韓民族5千年の歴史」を誇示します。 韓国ではプロの歴史研究者までもがこんな「歴史」を大真面目で語り、国立博物館の概説書にも記載しています。 檀君神話はそれまでの高句麗や新羅などの諸国家とは全く断絶しており、比較的新しいお伽話に相当するものとだいうことが理解されていればいいのですが‥‥。

 また不思議なのは、日本では神武建国神話はウソだから教えるなと主張する研究者・教師たちが、韓国の檀君神話にはダンマリを決め込んで日韓友好を唱えていることです。 神武東遷神話は九州から畿内へ政権移動したことを示す可能性があって多少はリアリティがありますが、熊から生まれた檀君神話はリアリティの全くないお話です。

【拙稿参照】

韓国・朝鮮の民族の歴史は新しい  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/11/20/5521495

韓国・朝鮮の民族の歴史は新しい(2)2015/03/21

 5年ほど前の拙稿の続きです。http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/11/20/5521495

 この中で、韓国の人類学者である金栄勲が自民族のルーツについて次のように記していることを紹介しました。

現在の韓国人が考える民族に対する感覚は、それほど以前からあったわけではない。いわゆる三国時代、高句麗・百済・新羅は互いに敵対国であり、彼らに同じルーツを主張し一つに統合するという概念があるはずがなかった。  金栄勲『韓国人の作法』(集英社新書 26頁)

 これは韓国に来る外国人留学生向けに韓国文化を解説する本の中の一節です。外国人に朝鮮(韓)民族を理解してもらおうとしてこのような記述になったのかな、と思っていました。しかし구완희『관통 한국사』(グ・ワンヒ『貫通 韓国史』)という大衆向けの歴史書の中で、自民族について次のように記述しているのを見つけました。

이 시기의 전쟁을 ‘민족상잔의 비극’ 이라 보기는 어렵습니다. 물론 중국이나 일본보다는 상대적으로 삼국이 친밀감을 느낄 수 있었겠으나 지금의 남북한처럼 한 민족이라는 의식은 없었으니까요. 우리 민족이 형성되는 것은 적어도 삼국 통일 이후, 실제로는 고려의 후삼국 통일 이후부터라고 여겨집니다. (281쪽)

直訳すれば、次のようになります。

この時期(高句麗・新羅・百済の三国時代のこと)の戦争を「民族相残(同じ民族間での殺し合いの意)の悲劇」と見るには難しいです。もちろん中国や日本よりは相対的に親密感を感じていたでしょうが、今の南北朝鮮のように同じ民族だという意識はなかったですから。我が民族が形成されるのは、少なくとも三国統一(西暦676年)以降、実際には高麗の後三国統一(西暦936年)以降からと考えられます。 (281頁)

 朝鮮(韓)民族の始まりが新羅統一(676年)か高麗の成立(936年)かは議論の余地があるところでしょうが、これより以前には朝鮮(韓)民族は存在しておらず、断絶があるということです。この民族の起源という重大問題が、数百ページの歴史書の中のごく一部にさりげなく挿入されているのです。

 しかし今の韓国では、百済は日本に文化を教えてあげたのに‥‥という話が当然のごとく語られています。そこには昔の百済が我が韓民族として意識されており、本来断絶があるという意識がありません。

 韓国は自民族のルーツについて、檀君以来の5000年という虚構から離れて、客観的に議論するようになればいいのに‥と思うのですが、ちょっと難しそうです。

【拙稿参照】 檀君神話はお伽話  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2015/03/15/7590818

英雄を救うために法を変えよ―韓国2015/03/25

 ドーピングが発覚した韓国の朴泰恒選手に対し国際水泳連盟が1年6か月の資格停止処分を決定しました。 これで2016年のリオデジャネイロ オリンピックに出場できると思ったら、実は韓国の大韓体育会の規定ではドーピングは3年間国家代表とすることが出来ないとされており、オリンピック出場は無理なようです。

 ところが、だったら規定を変えろという主張が出てきました。 ここは法・ルールというものに対して韓国はどのように考えているのか、つまり韓国人の法意識を垣間見えて、興味深いものです。韓国の「TV朝鮮」のニュース報道です。

http://news.tvchosun.com/site/data/html_dir/2015/03/24/2015032490265.html#none;

 内容を訳すと、次のようになります。

[キャスター]   国際水泳連盟が、ドーピングと関連して朴泰恒選手に資格停止18ヶ月と仁川アジア大会のメダル剥奪という懲戒処分を下しました。最悪は免れたと見なければならないようですが、来年8月のブラジル リオデジャネイロ オリンピックに出場しようとするならば、ドーピングに関連した選手は3年間国家代表になることが出来ないという大韓体育会の規定をもう一つ乗り越えねばなりません。 金グアン記者がお伝えします。          [レポート]  朴泰恒に対する国際水泳連盟の懲戒期間は、昨年9月3日から来年3月2日までの1年6ヶ月です。       昨年5月に水泳選手の金ジヒョンが、医者が処方した風邪薬を飲んで2年の懲戒を受けた場合とは比較するならば、禁止薬物を注射器で直接投与を受けた朴泰恒選手に対する今度の懲戒は、相対的に軽い方です。      朴泰恒側の弁明努力と来年8月のリオ オリンピック出場意志が反映したものと見られます。しかしドーピング関連の選手は懲戒以降も3年間国家代表になることが出来ないという大韓体育会の規定がもう一つの難関です。        大韓体育会は既定の二重処罰批判と原則の間で、世論の目を気にしています。       朴ドンヒ/大韓体育会広報室長「大きな枠組から多角的に検討されればならないようです。違憲立法の素地があるという、そのような結論が出れば当然に改定せねばならないと思います。」   今度のドーピングの波紋のせいで、朴泰恒の仁川アジア大会のメダル6個はもちろん、朴泰恒と一緒に400mリレー、メドレーリレー、800mリレーに出場した他の選手のメダルまでも消えた状態。規定を変えてまでも「水泳の英雄」を救わねばならないのか、法のままに処罰せねばならないのか、議論が続いています。

[앵커]    국제수영연맹이 도핑과 관련해 박태환 선수에게 자격 정지 18개월과 인천 아시안 게임 메달 박탈이라는 징계 처분을 내렸습니다. 최악은 면했다고 봐야 할것 같은데 내년 8월, 브라질 리우데자네이루 올림픽에 출전하려면 도핑 관련 선수는 3년 간 국가 대표가 될 수 없다는 대한 체육회의 규정을 또 넘어야 합니다.   김관 기자입니다.       [리포트]     박태환에 대한 국제수영연맹의 징계 기간은 지난 해 9월 3일부터 내년 3월 2일까지, 1년 6개월입니다.     작년 5월 수영 선수 김지현이 의사가 처방한 감기약을 먹고 2년 징계를 받았던 경우와 비교한다면, 금지 약물을 주사기로 직접 투여받은 박태환에 대한 이번 징계는 상대적으로 수위가 낮은 편입니다.     박태환 측의 소명 노력과 내년 8월 리우 올림픽 출전 의사가 반영된 것으로 보입니다.      하지만 도핑 관련 선수는 징계 이후에도 3년간 국가대표가 될 수 없다는 대한체육회의 규정이 또 다른 난관입니다.       대한체육회는 규정의 이중 처벌 논란과 원칙 사이에서 여론의 눈치를 보고 있습니다.        박동희 / 대한체육회 홍보실장 "큰 틀에서 다각적으로 검토가 되어야될 것 같습니다. 위헌 입법 소지가 있다 그런 결론을 얻으면 당연히 개정해야된다고 생각합니다."        이번 도핑 파문 때문에 박태환의 인천 아시안게임 메달 6개는 물론, 박태환과 함께 400m 계영과 혼계영, 800m 계영에 출전했던 다른 선수들의 메달까지도 사라진 상태.       규정을 고쳐서라도 '수영 영웅'을 구해야 할 지, 법대로 처벌해야 하는 것인 지 논란이 이어지고 있습니다.

 法を変えるならばその時点から効力を発するものですから、今規定を変えても「朴泰恒選手は3年間国家代表になれない」は変えられないとするのが当然です。 しかし韓国では、民族の英雄ならばそういう規定を変えて遡及適用し、「国家代表になれるようにしろ」という主張が出てきます。

 これからどうなるか分かりませんが、本当にそんなことになれば、韓国は法治国家なのだろうかという疑問がさらに深くなることでしょう。

【関連の拙稿】

韓国の古代的法規範意識  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/10/27/1873691

韓国の法意識         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/11/10/1900716

韓国の法意識(続)      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/11/17/2393593

法に対する思想が根本的に違う日本と韓国 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/11/6570566

法より情を優先する韓国社会 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/16/6575093

朴槿恵の謝罪―親の罪は子の罪か? http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/09/25/6584335

韓国の非常識判決―対馬の盗難仏像 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/02/27/6732313

非常識がさらに非常識を呼ぶ―対馬仏像盗難事件 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/12/6744868

法を軽視する韓国の民族性  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/09/01/6967936

法治国家かどうか疑問の韓国   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/11/19/7496467

法治主義と儒教     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/11/23/7500552

赤松啓介の思い出―売春婦の演技2015/03/31

 赤松啓介についてはこれまで何回か掲載してきました。 簡単な経歴を紹介すると、民俗・考古学者で、戦前からの共産党員。 特高の拷問を受けながらも非転向を貫いた方です。 自ら体験した夜這い風習についての著作が有名です。

 彼から聞いた話の思い出の続きです。 それは売春婦―当時の言葉で「淫売屋」のウソのことです。

 赤松さんは戦前の夜這いだけでなく、「淫売屋」についてもかなりの知識がありました。 売春とは商売で性を売ることですから、お客さんからどうのようにしてお金をたくさん出して貰うかを工夫します。 一番多いのはウソの身の上話です。

 病気のお父さんに薬を買ってあげるために仕方なくやっている、という話が典型的です。 これを演技でやるのですが、地方からやって来たような純朴な男性がよく引っ掛かる手口です。 この話を信じ込んで、このお金をあげるからお父さんに薬を買ってあげなさいと渡すわけです。 さらにはこういった男性のなかには、何遍もやって来てこの女性を指名してお金を渡すこともあったようです。 女性にとっては最高の顧客です。

 本当はこんな仕事をしたくないのに、悪い男に騙されて借金を作り、仕方なくやっているという身の上話をすることもあります。 これを演技で真実であるかのように男性にささやくのです。 ちょっとお金をため込んだような男性がこれに騙されて、借金を肩代わりしてやるから堅気になりなさいと大金を渡すことになります。 こういう場合もたまにあったとのことでした。

 また男性の中には「初割り」といって、処女を好む人がいます。 この場合は、売春婦なり立てで顔が知られていない少女が演技します。 どのように処女を演じるかを練習するのです。 これで普通の料金より何倍ものお金が貰えるわけですから、女性も必死です。 ただしこの演技、3・4人止まりで、それ以上やるとバレるとのことでした。

 またたとえ嫌な相手でもお金を出してくれるお客さんですから、じっと我慢してお客さんが喜ぶような会話と雰囲気を作ってあげるのが彼女らの仕事のテクニックだそうです。

 このような演技やテクニックは、抱え主(売春業者)が教えるとのことでした。

 赤松さんからこんな話を聞いたのが1970年代でした。 その時、今流行りの「トルコ風呂」(ソープランドのこと)というのを連れて行ってくれんか?今はそんなことをする精力も気力もないが、昔のと比較してみたい、と頼まれたことがあります。 その時は「はあ」と生返事して、結局は行かなかったです。

【拙稿参考】

赤松啓介の夜這い論        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2008/02/02/2596000

赤松啓介の思い出         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/09/17/5351878

戦前の拷問のやり方        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2010/11/07/5479466

週刊ポストに赤松啓介が紹介される http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/04/23/5821893

赤松啓介の思い出(続き)     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/07/22/6518872

産経新聞に赤松啓介が紹介される  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/08/15/6541796

赤松啓介の思い出―差別と性    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/06/01/6831892

『SAPIO』に赤松啓介が紹介される http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/09/07/7430066