ジム・ロジャーズ氏の朝鮮統一賞賛2019/04/26

 韓国の進歩系マスコミであるハンギョレ新聞2019年4月23日付けの記事で、世界的に有名な投資家であるジム・ロジャーズ氏が韓国・北朝鮮の統一をヨイショする見解を発表しています。   http://japan.hani.co.kr/arti/politics/33302.html   

韓国に新しい機会が生まれます

彼は、「19世紀は英国の時代、20世紀は米国の時代だったとすれば、21世紀にはアジアが重要になる。韓国にも、もうすぐ38度線がなくなり、8千万人口と北朝鮮の資源が伴うだろう」とし、統一した韓国の未来を楽観視した。

数年前から「非武装地帯近くの土地を買わなければならない。全財産を北朝鮮に投資する」と公言した彼は、投資家の立場から北朝鮮の投資価値を強調した。「北朝鮮では多くの機会が生まれるだろう。米国と日本の投資者はこれから北朝鮮に向かうだろう」とし、「北朝鮮の学生が韓国で勉強できるよう、奨学財団を設立する用意がある」と述べたこともあった。

北朝鮮を数回訪問した彼は、「統一した韓国と北朝鮮は機会の地だ」と述べた。「ビジネスチャンスをつかむためには、可能性のある場所を確保しなければならない。(南北が統一すれば)釜山からロンドンまで車で行けるなど、朝鮮半島のすべてのインフラが変わる。11歳と6歳の娘たちに中国語(北京語)を教えてきたが、これからは韓国語を覚えさせるつもりだ」

彼は「統一が実現し、境界線がなくなれば、韓国の国際的地位も変わるだろう。韓国の歴史や食べ物、建物、美しい風景を、世界の人々が楽しむだろう。日本にいる韓国の若者たちは韓国に戻って機会をつかむべきだ」と助言した。彼はまた、こうした状況にもかかわらず、「(多くの若者が)公務員を目指している韓国の現実には、胸が痛む」と語った。

 これを読んで、30年以上前のテレビ放送を思い出しました。 当時私は競馬に凝っていて、テレビの競馬番組をよく見ていました。 その番組で、競馬専門家と称される人が、今度のレースの推奨馬券はこれだ!と解説していました。 ふうん、そんなものかなあと思っていたら、もう一人の出演者が、あなたがさっき買った馬券と違うじゃないですか、と言ってしまったのです。 一瞬、番組がシラーッとした雰囲気になりました。

 その時に気付いたのですが、競馬専門家が勧める馬券は、実際は違うということでした。 考えてみたら、本当に当たると思う馬券ならば他人に言うことはなく、そっと自分で買うものです。 ところがこれを買いなさいとテレビで勧め宣伝するということは、その馬券のオッズ(的中時の償還倍率)が下がり、他の馬券のオッズが上がることになります。 だから彼が本当に当たると思う馬券は、推奨・宣伝とは別のところにあると思わなければならないのです。

 投資も同じギャンブルです。 有名投資家がこれに投資せねばならないと宣伝すればするほど、返って怪しいと思わなければなりません。 真の投資家は本当の儲け話を宣伝するのではなく、こそっと投資するものでしょう。 宣伝は多くの大衆を惑わせてそちらの方に投資するように誘導し、自分はこっそり別のところに投資して大儲けを企んでいる、と見るべきです。

 ジム・ロジャーズ氏もそういう類の人と見ていいと考えています。 韓国・北朝鮮に肩入れするような宣伝をして、多くの人に投資させようとしているのではないでしょうか。

 それとも老いて耄碌(もうろく)し血迷った末に、金正恩と文在寅さんにまんまと騙されたのかも知れませんねえ。 ここまで書くと、個人の人格攻撃になってしまいますが。

【拙稿参照】

北朝鮮が崩壊しないわけ         http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2007/08/04/1701479

『写真と絵で見る北朝鮮現代史』     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/02/06/5665262

韓国と北朝鮮の歴史観が一致する!!   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/02/10/5675477

白い米と肉のスープ           http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/02/14/5680393

韓国の北朝鮮研究            http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/02/22/5698027

1970年代の北朝鮮=総連の手口     http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/11/12/6199653

先軍政治は改革開放を否定するもの    http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2011/12/23/6256776

金正日急死への疑問           http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/01/15/6293047

韓国に親北民主政権=人民革命政権が樹立される可能性 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/02/01/6315655

自主的、民主的、平和的統一       http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/04/22/6421457

和田春樹『北朝鮮現代史』        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2012/04/29/6428366

北朝鮮は社会主義の盟主を観念的に目指す http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/02/16/6722829

南朝鮮解放路線はまだ第一段階      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2013/03/30/6762019

北朝鮮を甘く見るな!(1)        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/07/23/7395972

北朝鮮を甘く見るな!(2)        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/07/28/7400055

北朝鮮を甘く見るな!(3)        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/08/02/7404064

北朝鮮の宋日昊が日本を脅迫      http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2014/10/10/7455119

北朝鮮を後押しする中国        http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2016/02/08/8011036

北朝鮮の核開発の目的  http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2017/09/07/8671910

北朝鮮の内部情報は?   http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2018/04/28/8834853

北朝鮮の「갓끈 전술(帽子の紐 戦術)」 http://tsujimoto.asablo.jp/blog/2019/01/08/9022748

コメント

_ ボルグ ― 2019/04/26 12:08

ジムロジャースの個人資産は謎である。いつも儲けたのか損したのかまったく公表していない。自分は、この人の意見は信用がないと思っている。

例えば過去の発言を見ると、日本株で個別銘柄を触れたものでは、サンリオ、パナソニック、倒産前のJAL株を逆張り投資していたくらいしか分からない。このうち、サンリオ株は大幅に上昇したが、パナソニックの株は三分の一に、JAL株は倒産し紙くずだ。

ちなみに世界で最も信頼されている投資家である、ウォーレンバフェット氏はこういう発言はしたことがないし、基本的に何を売り買いして、どう儲けたかまで公表している。

著名投資家の質もピンキリということでしょうが、ジムロジャースは己の名前を利用して世論を誘導、逆張りして儲けようとしているイメージしかない。

_ (未記入) ― 2019/04/26 16:56

>日本にいる韓国の若者たちは韓国に戻って機会をつかむべきだ」と助言した。

大賛成です。
今月22日に釜山大学の名誉哲学博士号をもらったジム・ロジャーズ会長の助言を最大限信じて
在日韓国朝鮮人も祖国に早く帰えって豊かな生活を享受するべきだと思います。

_ (未記入) ― 2019/04/27 18:29

「在日韓国朝鮮人も祖国に早く帰えって」を主張して、北朝鮮・韓国を応援することだね。

この投稿者は、在特会ー金正恩ー文在寅がつながっている。

ここでも日本人の韓国化が読み取れる。
こんなことを言っても、本人は何の覚醒もないだろう。

_ mahlergstav ― 2019/07/07 12:31

辻本さんの説は、おおむね正しい。

ロジャースは、相場を見抜く天才ではあるが、大きな欠点があります。彼は、今後成長する分野はわかっても、その分野で事業する能力は無いのです。

だから、ロジャースは投資家よりも投機家です。今後、成長が見込めない分野や国家を持て囃し、買う人が増えたところで売りに出します。逆に成長が見込める分野を貶めて、売りに出たところを買いに入ります。

ロジャースは、相場観があるだけに、皆が信じます。ロジャースは意図的にやっているのではなく、直感的にやっているにすぎないでしょう。意図的だと見抜かれます。

ロジャースが韓国を持て囃す時点で売りという判断もできます。韓国としては、糠喜びに浸ったら、痛いしっぺ返しを喰らいます。

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